映画監督 飯塚健の「日々散々」

2012年11月21日 更新

第16回『復活LIVE!!』


先週(14日)、妻と二人で行ってきました、さいたまスーパーアリーナ!! およそ1年振りに訪れた新都心は、期待に胸を躍らせた、万を超える人たちで溢れ返っていました。

「ええっ……」「マジかよ……」「まさか……」「もうあの声が……」「聴けないのか?」と多くの人が落胆と失望と心配に暮れた約3年前。発覚した食道ガンによって、スタート目前で中止となってしまった全国ツアー。

けれど、やっぱり音楽の神さまはいた。手放しちゃいけない、まだまだ歌ってくれなきゃ困るぜ、そう思ったのかも知れない。

病気の発覚以前、最後のツアーとなっていた2007年から数えて、約5年振りとなる今回の全国ツアー。9月に宮城からスタートし、北海道→福井→愛媛→広島と回り……やっと帰って来てくれましたっ都心のSTAGEに!!

足を運んだのは、まさに“待望”の復活を遂げた、KING OF J-POP・桑田佳祐さんのLIVEを観るためです。ありがたいことに、桑田さんの音楽プロデューサーさんから「良かったら来ませんか!! 奥様と二人でどうぞ!!」と本当にありがたいお招きを受け、ノリノリで向かったというわけです。

と、ここまでは最高なんですよ。問題はさいたまへ向かう道中で起きたんですよ。首都高を走らせる車の中で、ワイフとケンカしたんですよ。原因は夫婦間にありがちな、ごく些細なことだったと思うのですが、とにかくケンカしたんですよ。あ。理由、思い出しましたよ。駐車場をどうするか問題でしたよ。そりゃ万を超える人が集まるわけですから、催し事がある日のアリーナ周辺のパーキングはめちゃくちゃ混み合うんですよ。というか、大体どこも満車なんですよ。例えばこんな感じでケンカですよ。

妻「いやだから、聞くだけ聞いてみて、失礼がないように、って言っただけじゃん」

私「いやだから、招待してもらってんのに、駐車場のことまで聞けるわけねえだろ」

妻「それはわかってるって。だけど本当にないんだってば、空いてるところなんか」

私「あるよ、絶対どっか。俺の直感がそう言ってるよ」

妻「知らないからね。パーキング探す祭りになっても」

とまあ結果は、周辺のパーキングも空いていたし、アリーナの駐車場もご用意頂いていて、事なきを得たわけですが。更に我々は、素晴らしく早く仲直りできるという習性も持ち合わせているので、LIVEが始まるまでにはすっかり仲も“復活”、揃って期待に胸を躍らせていました。

LIVEはもちろん最高で。3時間超、一瞬たりとも飽きさせない。まさに音楽界の宝。もうね、マジで凄いんですよ。他に言葉ないんですよ。

特に『YMCA』→ からの『波乗りジョニー』がほんとヤバくて。関係者席もなんのその、人目気にせずワイフと二人、例の振り付けやっちゃいましたよ。

最後、会場全員での一本締めの後、とても丁寧に、長く深く、お客さんに向かって頭を下げていた桑田さんが印象的でした。機会があれば、皆さんも是非行ってみてください。明日への活力、間違いナシです。年末4DAYS、横浜アリーナでありますよ。

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第9回『Live & Session』

第8回『音楽のチカラ』

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第5回『人はそれでも移動する』

第4回『モノガタリ』

第3回『信じるチカラ』

第2回『本気は、出すためにある』

第1回『3連チャン』

DVD情報

『荒川アンダーザブリッジ THE MOVIE スタンダードエディション』
出演:林遣都 桐谷美玲
発売日:8月8日
価格:¥3990(税込)
発売・販売元:アニプレックス
(C)2012 中村光/スクウェアエニックス・AUTBパートナーズ

筆者プロフィール

飯塚健(いいづか けん)
1979生まれ。映画監督。脚本家。小説家。主な作品に、『Summer Nude』、『荒川アンダーザブリッジ』(ドラマ・映画共に)、『REPLAY&DESTROY』、『FUNNY BUNNY』(舞台)などがある。

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