先週(14日)、妻と二人で行ってきました、さいたまスーパーアリーナ!! およそ1年振りに訪れた新都心は、期待に胸を躍らせた、万を超える人たちで溢れ返っていました。
「ええっ……」「マジかよ……」「まさか……」「もうあの声が……」「聴けないのか?」と多くの人が落胆と失望と心配に暮れた約3年前。発覚した食道ガンによって、スタート目前で中止となってしまった全国ツアー。
けれど、やっぱり音楽の神さまはいた。手放しちゃいけない、まだまだ歌ってくれなきゃ困るぜ、そう思ったのかも知れない。
病気の発覚以前、最後のツアーとなっていた2007年から数えて、約5年振りとなる今回の全国ツアー。9月に宮城からスタートし、北海道→福井→愛媛→広島と回り……やっと帰って来てくれましたっ都心のSTAGEに!!
足を運んだのは、まさに“待望”の復活を遂げた、KING OF J-POP・桑田佳祐さんのLIVEを観るためです。ありがたいことに、桑田さんの音楽プロデューサーさんから「良かったら来ませんか!! 奥様と二人でどうぞ!!」と本当にありがたいお招きを受け、ノリノリで向かったというわけです。
と、ここまでは最高なんですよ。問題はさいたまへ向かう道中で起きたんですよ。首都高を走らせる車の中で、ワイフとケンカしたんですよ。原因は夫婦間にありがちな、ごく些細なことだったと思うのですが、とにかくケンカしたんですよ。あ。理由、思い出しましたよ。駐車場をどうするか問題でしたよ。そりゃ万を超える人が集まるわけですから、催し事がある日のアリーナ周辺のパーキングはめちゃくちゃ混み合うんですよ。というか、大体どこも満車なんですよ。例えばこんな感じでケンカですよ。
妻「いやだから、聞くだけ聞いてみて、失礼がないように、って言っただけじゃん」
私「いやだから、招待してもらってんのに、駐車場のことまで聞けるわけねえだろ」
妻「それはわかってるって。だけど本当にないんだってば、空いてるところなんか」
私「あるよ、絶対どっか。俺の直感がそう言ってるよ」
妻「知らないからね。パーキング探す祭りになっても」
とまあ結果は、周辺のパーキングも空いていたし、アリーナの駐車場もご用意頂いていて、事なきを得たわけですが。更に我々は、素晴らしく早く仲直りできるという習性も持ち合わせているので、LIVEが始まるまでにはすっかり仲も“復活”、揃って期待に胸を躍らせていました。
LIVEはもちろん最高で。3時間超、一瞬たりとも飽きさせない。まさに音楽界の宝。もうね、マジで凄いんですよ。他に言葉ないんですよ。
特に『YMCA』→ からの『波乗りジョニー』がほんとヤバくて。関係者席もなんのその、人目気にせずワイフと二人、例の振り付けやっちゃいましたよ。
最後、会場全員での一本締めの後、とても丁寧に、長く深く、お客さんに向かって頭を下げていた桑田さんが印象的でした。機会があれば、皆さんも是非行ってみてください。明日への活力、間違いナシです。年末4DAYS、横浜アリーナでありますよ。
飯塚健(いいづか けん)
1979生まれ。映画監督。脚本家。小説家。主な作品に、『Summer Nude』、『荒川アンダーザブリッジ』(ドラマ・映画共に)、『REPLAY&DESTROY』、『FUNNY BUNNY』(舞台)などがある。