映画監督 飯塚健の「日々散々」

2012年11月07日 更新

第14回『重大エネルギー』


先日(5日)、半端ない緊張感がビリビリみなぎる、と或る場所に招いて頂きました。

それは、EXILEのHIROさん率いる芸能プロダクション・「LDH」が開催した『Girls Showcase』と題された発表会です。

何を発表する、どんな場なのかいうと……

今まさに、徐々に確実着実に、スターダムへの階段をのぼっていると言える、EXILEの妹分的存在、「Dream」「Happiness」「FLOWER」といったグループが属す、総称「E-Girls」のメンバーがエチュード芝居とダンスを披露するという催しでして。それを観るのは、映画界、テレビ各局、演劇界にCM、出版関係、などなどあらゆるジャンルのプロデューサーやキャスティングディレクターといった、いわゆる彼女たちを起用する側のお偉いさんが厳格な顔でズラリと並んでいるという…。

つまり、舞台でいうところの公開ゲネプロ、CMでいえば公開プレゼン、ともあれまさに『Showcase』という名にふさわしい粛然たる場に、映画監督という立場で、「ケイゾク」「SPEC」でお馴染みの堤幸彦監督と、どういうわけか私がお呼ばれ致しまして。

いや、もちろんとても光栄なことんですけどね。「これ或る意味、お客さんの前で披露するより、絶対緊張すんだろうな」「てかこっちまでなぜか緊張するわ」などと思いながら、密かにドキドキしてたっていう。

しかしまあ、10代の女のコが懸命に何かを表現するサマというのは、否応なしに美しい。芝居に関する能力であるとか、技術であるとか、センスだとか、無論それらも大切なのだけど、そんなモノはまだまだ先の話であって。技術を習得するには、その前に「圧倒的な熱」が必要だということを、というか「熱」さえあれば「何か」は伝わる、という至極当たり前のことを、思い出させて貰ったような、そんな時間でありました。

経験を積むことはもちろん素晴らしいことだが、同時に失いがちなのが「熱」ではないか。

10代エネルギーを見て、思ったことです。

「熱」を忘れずに、日々生きたいものですね。

PS 一つ、ご報告を。先週このコラムをご覧頂いている皆さんがauユーザーであることは承知の上で、超強引に告知させて頂いたBee TVのショートコント・『のぞき穴』が配信初登場、総合第1位を獲得しました。これもひとえに、ご覧頂いた方々のおかげです。、本当にありがとうございます。

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第5回『人はそれでも移動する』

第4回『モノガタリ』

第3回『信じるチカラ』

第2回『本気は、出すためにある』

第1回『3連チャン』

DVD情報

『荒川アンダーザブリッジ THE MOVIE スタンダードエディション』
出演:林遣都 桐谷美玲
発売日:8月8日
価格:¥3990(税込)
発売・販売元:アニプレックス
(C)2012 中村光/スクウェアエニックス・AUTBパートナーズ

筆者プロフィール

飯塚健(いいづか けん)
1979生まれ。映画監督。脚本家。小説家。主な作品に、『Summer Nude』、『荒川アンダーザブリッジ』(ドラマ・映画共に)、『REPLAY&DESTROY』、『FUNNY BUNNY』(舞台)などがある。

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