夏休み最強映画! 『スター・トレック イントゥ・ダークネス』連続インタビュー第3弾は、敏腕プロデューサーのブライアン・パーク氏! 天才監督J・J・エイブラムス率いるバッド・ロボット・プロダクションズの上席副社長にして、長年の盟友だ! そのパーク氏に続編製作の極意やJJとの仕事の進め方などを直撃するとともに、現在製作中の『スター・ウォーズ エピソード7』(仮題)の情報提供も少々お願い! とにかく面白い人でした!

 

■だいたいシリーズものは手を抜くことが多いが、スタトレは絶対に面白い!!

Q:トレッキーじゃないけれど、死ぬほど面白かったですよ! 核としたコンセプトは何?

 

2個あるぜ! 1個目は誰でも楽しめる作品にするために、続編というポジションにしなかったことだな。前作を観ていようがいまいが、このシリーズに興味があろうがなかろうが、知っていようがいまいが、映画館で本作を観た時、心底楽しい気分になるような作品にすることだった。もう1個は、すべての意味で前作を上回る作品にすること。単にスケールとかのハナシではなく、ストーリーにおける感情の豊かな表現などについても、より味わい深い作品にしようと思ったわけだ。だいたいシリーズものは成功した1作目にあぐらをかいてしまい、手を抜くことになりがちだが(笑)、そういうことは避けたかったわけだよ。

 

Q:なるほどですね! 天才監督J・J・エイブラムスとは、どういう風に仕事を進めました?

 

いろいろな意見を投げ合って、切磋琢磨しているってカンジかな! まあ、彼とは古い仲でね。最高のパートナーで、一緒に仕事をすることは楽しい作業だね。で、僕たちは同時進行で、いくつものプロジェクトを同時に進めていることが多いので、忙しくてわけがわからないってね(笑)。ともかく、この映画を撮っている時は、脚本を練って予算を決める段階はJJと話し合い、それ以降の撮影は彼に任せ、僕はテレビシリーズの仕事をしていた。午前中はソレ、午後はスタトレの撮影現場に行くとか、しょっちゅうだったね。それで編集の段階では、また一緒にスタジオに入って、意見を交換した。音楽まで一緒に入れたかな。そしてこうして宣伝活動を一緒にしているけれど、いつも心がけていることは、各国には独自の映画史上があって、独自の感性があるよね。そこに特化したマーケティングをしなければいけないと僕は毎回考えていて、日本も特殊だと思うわけよ。ユニークな感性にあった作品製作、そしてマーケティングが要る。僕たちは日本の製品や映画などに心底感動するけれど、僕たちが作る映画が、僕たちが日本の製品や映画に感動するように受け入れられてほしいので、そういう結果を出すために日々努力をしているカンジだよね(笑)。

 

■とにかく自分が納得するまでやってみることが重要。それが映画製作の極意!!

 

Q:それにしても多忙の極みですね? その中で新しいアイデアをよく生み出せますよね?

 

だろ? だから、こういう風貌なわけだよね(笑)! まあ、時間というものは無理矢理に生み出すものだろうが、僕とJJは本当に映画が大好きなので、イコール仕事が大好きだってこと(笑)。フリータイムにも新しい構想のことを話しているくらいで、今日もJJとスシを食べながら、試写の反応や新作のことを話し合っていたからね! 日本で撮影する構想や、日本に来る飛行機の中でも黒澤映画のハナシでしこたま盛り上がった(笑)。僕たちにはフリータムも何もないわけで、その時間を経て盛り上がっていくことが楽しいよね。

 

Q:ひょっとしてカークとスポックの関係って、JJとアナタの関係を投影しておりますか?

 

そうだね! 共通している点は、髪型くらいかな(笑)。いや、カークとスポックの関係に似ているとは思っていなくて、映画の好みなど、そもそもお互いのテイストが似ているかな。強いて言えば、映画製作の最終到達点への道のりが異なるだけで、共闘した結果は力を足したモノだよね。方法論が異なるので、そういう意味ではカークとスポックに似ているとは思うけれど、僕とJJは確固たる信頼関係なので、パートナーでよかったと思うよ。特に映画を製作する仕事は、あこがれる人が多いなか誰もが就ける仕事ではないので、そこに甘えることなく、常に上を、上を目指してやっている。また、ファンの反応は読めないので、とにかく自分が納得するまでやってみることが重要かな。そういう心構えだよね。

 

■映画の全コマに愛情を込め、それを感じる作品を作る。『スター・ウォーズ』もな!!

Q:満足いくまでやるっていっても、スタトレとか、それこそ『スター・ウォーズ』とか超アイコニックじゃないですか。仕事とはいえ、イジっていて、怖くなることはないですか?

 

そうね。スタトレのファンは筋金入りで、口うるさいことでも有名だよね(笑)。ただ、僕たちにとっての最大の目標は、自分たちが最高に楽しめる映画を作ることだったわけ。ただ、面白いことに製作陣が5人ほどいたけれど、その中にはもともとスタトレのファンがいて、僕は反対にまったく興味がなくて、何も知らない状態だった。だから僕は、そういう層の代弁者になったわけだよ。その視点で脚本に意見をしたけれど、おかげでスタトレのことをよく勉強して詳しくなった。そういう意味では、もともとのファンの要求を満たすスタッフ、まったく興味がない人たちの要求を満たすスタッフ、両方いたわけだよ。ちなみに僕は、『スター・ウォーズ』の大ファンでね(笑)。まだ何も決まっていないけれど。

 

Q:『スター・ウォーズ』、超楽しみですよ! 次のエピソード、製作しているわけですよね?

 

そうだよ! だから、今度は立場がちょっと変わるわけね。次のエピソードを製作している最中だけれど、スタトレは自分が楽しいと思う映画を目指した。でも、『スター・ウォーズ』は『スター・ウォーズ』のファンの立場として納得する映画にしなくてはいけない。だから、微妙に立場が違うわけだよね。端的に言ってしまえば、特に本作のようなブロックバスター・ムービーの場合、チケットをとにかく売るためにスペクタクル感満載になって、薄っぺらな内容になりがちだ。でも僕たちは絶対にそういう映画は作らず、映画の一コマ一コマに強く愛情を込め、それを感じる作品にしたい。そして、していくつもりだよ!

 

Q:スタトレの続編、そして『スター・ウォーズ エピソード7』(仮題)に期待しています!

 

アリガトウゴザイマス! 『スター・ウォーズ エピソード7』(仮題)のプロモーションで来日した際には、ポスターのタイトルを縦書きでお願いしたいね(笑)! それが日本式のマーケティングになるわけで、『スター・トレック』シリーズも50作目くらいまで行けば、諸各国のニーズを完璧に満たしたマーケティングが必ずや終わっていると思うよ(笑)。

 

■取材・構成・撮影/鴇田 崇(OFFICE NIAGARA)

 

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