夏休み映画の大本命! TVCMはローンナントカに比べて少なかった気がするけれど、内容がよさそうな映画は宣伝しなくたってヒトが観るよな! そういうわけで、週末興行で洋画興行収入ランキングNo.1発進で絶好調なスタートを切った、『スター・トレック イントゥ・ダークネス』で女科学者キャロル・マーカス役を好演したアリス・イヴ様に直撃! 天才監督J・J・エイブラムスとの仕事、今後の展開、自分の目標などなど、情報過多ですよ!

 

■JJたちは女性たちの関係にも目を向けているって言っていた。重要な変化があるの

Q:今回のスタトレは男の友情が見モノですね! 女子的には、どこが楽しかったですか?

 

まず、女性の人生で重要な要素は父親との関係なのよ。そのテーマをキャロルは体現しているけれど、まったく同様の仕事に就いている父と娘は特別な関係よね。それとキャロルは、少女を経て大人の女性に変わっていく。これも重要な変化よね。一方、ゾーイ・サルダナさんが演じたウフーラは、彼氏を想うしっかりとした女性になっていくわよね。特にクロノスでクリンゴン人相手に一人で対峙するシーンを観れば、よくわかるわ。だから、作品としてはカークとスポックの友情に焦点が当たっていると思うかもしれないけれど、JJたちは女性たちの関係にも目を向けているって言っていた。どうもアナタには、男性の友情しか見えていなかったようね(笑)。それは、物事の一側面を観ているということよ(笑)。

 

Q:これは、これは失礼しました! しかし、JJは丁寧ですね。一緒に戦っていかがでした?

 

JJの監督としての力量は、大きくわけて2個、傑出しているモノがあるの。いろいろなコンセプトを同時に頭の中で保っていることができる能力と、他の人に自分が実現するビジョンをタスクとして“振る”才能ね。これだけの規模の映画を一人で作ることは不可能なので、自分のクリエイティブな世界をカタチにする人を慎重にチョイスしなくちゃいけないわけ。でも、自分には確かなビジョンがあるので、自由自在に調整が可能なわけよね。だからディテールも相当細かく決めていて、わたしのネイルにまでこだわっていたわ(笑)。ただ、一度自分の意見を相手に伝えれば、後は委ねてくれる人でもあるの。度量が広いの。

 

Q:爪ってウルヴァリンじゃあるまいしねえ。細かいけれど、躍動感ある演出もしますよね?

 

JJの演出法については、すごくハッキリしていて、言ってみればミュージカル的な演出法かも。自分が思うエモーショナルな楽曲が頭の中にあるとして、それに今撮影しているシーンが合わないと思うと、修正をするのよ。一連の、流れを大切にしてシーンを撮っている印象があるわ。だから、彼にとっての映画製作は科学みたいなもの。本当に面白い人よ。

 

■今回は“イントゥ・ダークネス”だったけれど、次のジャーニー(映画)は……

 

Q:さて複雑な問題を抱くキャロルを演じる上で何かアイデアを出すことはありましたか?

 

そうね。全体を通して、キャロルについての意見は言ったわ。ディスカッションをしたの。

 

Q:完成した映画を観た時、最終的にキャロルは、どういう女性だったと受け止めましたか?

 

登場時とエンディングで、そうとう違う女性になったと思う。初登場時は父のことを疑う一方、それでも善人であることを信じていたわ。でも、この世には悪があって、それが皮肉にも近くにいることを知っていく。だから、最初は自分の人間性をハッキリと理解していたはずの彼女だけれど、そういう経験を経て最後には自分を見失ってしまっている側面はあるわね。その彼女の成長や変化は、次のジャーニー(映画)になるような気がするわ。

 

Q:とても複雑で、衝撃の運命を辿りますよね。彼女には、どうなっていってほしいですか?

 

今回の映画では……ご存じ? ちょっとタイムラインをいじってしまっているけれど、1980年代に製作した2本目の『スター・トレック』映画では、キャロルとカークは関係があって、17歳の息子がいるわけじゃない。そういう事実を踏まえて、今回のラストでは5年の遠征に出かけていくけれど、その中で恋愛感情が生まれ、子どもが……という展開の可能性も低くはないと思っているの(笑)。そうそう、JJ版の1本目、2009年の『スター・トレック』映画には、カークが誕生するシークエンスもあったっけ。そして今回は“イントゥ・ダークネス”なだけに、バイオレントで男性的な映画だったかもしれないけれど、次回の作品では特に女性的な意味合いがある“生誕”のシーンがあってもいいと思うわ(笑)。

 

■出演作も続々と待機、いずれは製作業も!! 結婚やチャリティーの夢も!!

Q:最後のほうの話題になりますが、女優業としての最新情報などあれば教えてください!

 

アメリカで大ヒットしているケーブルテレビのシリーズで「ブレイキング・バット」シリーズという作品があるけれど、そのブライアン・クランストンと共演した『COLD COMES THE NIGHT』(原題)が完成しているわ。シングルマザーで、自分の親権を守るために闘う女性の役なのよ。それと、『ベティ・サイズモア』(00)のニール・ラビュート監督の作品で、スタンリー・トゥッチとの二人芝居も上がっていて、トライべッカ映画祭で上映した。後は全米で公開待ちよ。その次の作品はディール中でまだ話せないけれど、今年の夏はプロモーションで大変だったので、今年の夏は引っ越しをしながらお休みを取っていたってわけ。

 

Q:大充実ですな! ちなみに夢はありますか? たとえば女優以外で監督を目指すとか?

 

それはもう、たくさんあるわ! 実は弟も映画作家で、1本低予算で製作済みで、2本目の脚本も上がっているのよね。それに主演だけでなく、製作もしたいと思っているの。そして、いつの日か家族も持ちたい。それと、わたしはホームレスの子どもたちへのチャリティー活動も日々しているので、その“レス”がなくなるまで、活動は続けていくつもりよ。

 

 

■取材・構成・撮影/鴇田 崇(OFFICE NIAGARA)

 

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