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ジョディ・フォスターが16年ぶりにメガホンをとり、出演もしている監督第3作
『それでも、愛してる』。
彼女が演じるメレディスは、会社経営者である夫・ウォルターと結婚して20年。2人の息子たちにも恵まれ、順風満帆な人生を歩んで来たが、ある日突然、夫がうつ病に。カウンセリング、薬、音楽療法、催眠療法…あらゆる方法を試してみたが効果はゼロ。会社にも行けなくなり、家族はバラバラの危機に。しかし、ゴミ箱に捨てられていたビーバーのぬいぐるみに出会ったことで変化が…というストーリー。
ジョディがウォルター役に選んだのは、ここ数年、トラブル続きのメル・ギブソン。お騒がせセレブは多いが、彼ほど映画界の頂点から、坂道をまっさかさまに転がり落ちた感があるスターはいないだろう。2006年に飲酒運転で逮捕された時、ユダヤ系の警官に差別的な暴言を吐いたことが、つまづきの始まりだった。私生活のトラブルも相次ぎ、7人の子どもをもうけ、28年間結婚生活を送った妻とまさかの離婚。007俳優のティモシー・ダルトンの元妻で歌手のオクサナ・グレゴリエヴァとの間に女児が誕生し、世間を驚かせたと思ったらスピード破局。親権と慰謝料をめぐって泥沼闘争を繰り広げる中、メルのDV疑惑を思わせる録音テープまでマスコミに流れてしまった。汚い言葉で激しく彼女を怒鳴り散らす様にショックを受けた人も多いはず。
ヒーローを演じて来ただけに、DVはまずい。イメージダウンは甚だしく、大ヒットコメディの続編(ハングオーバー2)にカメオ出演が報じられるも、結局はボツ。トラブルが絶えず、まさにドツボ状態。そんなメルを救うべく、立ち上がったのが
『マーヴェリック』(94年)で共演して以来の親友であるジョディ。持つべきものは頼りになる友人。色々あっただけにメルの苦悩する様がリアルだ。
■津島令子(映画パーソナリティー)