目指したのはゲーム史上最も可愛い女の子。早矢仕プロデューサーが語る「DEAD OR ALIVE 5」の魅力

  • 更新日:2012年8月20日


 ナンバリングタイトルとして約7年振りに発売されるシリーズ最新作「DEAD OR ALIVE 5」(PlayStation 3/Xbox360)。日本での発売を2012年9月27日に控え,プロデューサーである早矢仕洋介氏が,ドイツのケルンで開催されたゲームショウ「Gamescom 2012」にて本作の開発経緯や魅力を語った。

 前作「DEAD OR ALIVE 4」が発売されたのは,Xbox 360のローンチ時,2005年12月のこと。なぜこれだけの期間が空いたのかというと,「格闘ゲームとしての次のステージが分からず,時間だけが過ぎた」と早矢仕氏は語る。つまりは行き詰まりを感じていたわけだが,2009年頃に,方向性のようなものが見えてきたそうだ。
 とはいえ,いきなりそれを具現化できるわけもなく,まずは格闘ゲームを作るチームを結成するところから着手し,3DS用ソフト「DEAD OR ALIVE Dimensions」を開発。これはDEAD OR ALIVEの1~4までの総集編であり,シリーズの入門編として位置付けだという。DEAD OR ALIVE Dimensionsの発売後は,5の開発に着手。現在は発売を約1か月後に控えるという状況だ。



 DEAD OR ALIVE 5で早矢仕氏が目指したのは,格闘ゲームというジャンルをさらに広められるようなゲームにすること。早矢仕氏は「格闘エンターテイメント」というキャッチコピーをDEAD OR ALIVE 5につけているが,これを格闘ゲームというジャンル名に取って代わるものにする,という意気込みが込められているのだという。

 では,ここでいう格闘エンターテイメントとはなにを指すのか。格闘ゲーム黎明期の頃は,それこそ波動拳が出せればヒーローで,皆が出せるように練習していた。そして時は進み,波動拳が誰でも出せるようになると,キャンセル技の修得など,パッと見では分かりづらいところで格闘ゲームが語られるようになり,よりコアな方向進んでいった。
 だが,エンターテイメントとしての格闘ゲームを追求するには,「この技を出したい」「とにかく遊んでみたい」と思わせるような仕掛けが必要だと早矢仕氏は考えたという。そこで,ビルを壊したり,相手を投げてヘリコプターにぶつけたりするといった派手な演出を用意し,見た目のエンターテイメント性を重視したのだという。もちろん,可愛い女の子が登場し,彼女たちが土にまみれてしまったり,下着が見えてしまったりするのも,その一環だ。

 だからいって,DEAD OR ALIVE 5は見た目だけを追求しているわけではない。アメリカのプロゲーマーや日本のコアプレイヤー達にプレイしてもらい,そのフィードバックをもとに最終的なバランス調整を続け,発売後5年経っても遊び続けられるものを目指して開発したのだという。




DEAD OR ALIVE 5のオンライン要素


 DEAD OR ALIVE 5のオンライン要素は,Gamescomの開催に合わせて公開された。ランクマッチやロビーマッチなど,現在の格闘ゲームにあるオンライン要素は網羅したうえで,さらに3つの特徴的なシステムが本作にはある。

 1つめは,「挑戦状」というシステムだ。これはオフラインで遊んでいるときに,「挑戦状」が届き,それに応えると送り主とオンラインで対戦できるというもの。ポイントは,この挑戦は断ることもできるということだ。例えば,オフラインで遊んでおり,もう少しでボス戦というタイミングで半ば強制的にオンラインモードに引っ張り出されるのは不本意かもしれない。そういった事態を避ける意味もあって,間接的な挑戦状というシステムにしたそうだ。



 2つめは「オンライン道場」。これはフレンド同士などで,ひたすら練習を行えるというもの。体力という概念事態がないので,まさに練習し放題。気が済むまでコンボの研究や練習ができる。

 3つめの要素はFacebookとの連動だ。これは,例えば残業で家に帰れないときなどにスマートフォンでFacebookをチェックして,友達の戦績を確認したり,自分が一緒に遊べないことをFacebook上で報告したりするといった使い方が想定されている。ゲーム独自のSNS的な仕組みを作ることも可能だったが,あえて既存のSNSを使うことで,よりコミュニティが広がることに期待しているようだ。
 格闘ゲームといえばアーケード版があり,そこにコミュニティが生まれる例は多いが,本作はコンシューマ版のみとなる。早矢仕氏も,コミュニティ性をDEAD OR ALIVE 5の弱点と認識しており,それをカバーするものとしてFacebookとの連動を打ち出したのだ。

 また,リプレイデータを保存しておき,好きなときに再生できる機能があることもGamescomに合わせて発表された。好成績をあげた人が,そのリプレイデータをランキングボードにアップしておき,それを他人がダウンロードして再生するといったことも可能。ただし,リプレイデータのいいシーンのスクリーンショットを撮影して,それをFacebook上で公開するといったことはできない。そういった構想はあったようだが,プラットフォームホルダーのポリシーなどもあり,実現には至らなかったという。




ゲーム史上最も可愛い女の子を目指して


 DEAD OR ALIVE 5には,エリオットやブラッドといったDEAD OR ALIVE 3や4で活躍したキャラクターが,最新の技術で作り直して実装されている。早矢仕氏達は,ゲーム史上最も可愛い女の子を登場させることを目指したそうだが,その目標は達成できたのではないかと自負しているという。また,“開催宣言”と銘打たれたトレイラーにはエレナやゲン・フーが登場していたが,「あの映像のままプレイアブルでなければ裏切りになる」と早矢仕氏は語っていた。さらにキャラクターはいるようだが,「アンロックしていく楽しみもあるので,まだすべては公開しない」とのこと。

 DEAD OR ALIVEシリーズの女の子を語るうえで外せない要素といえば「胸揺れ」だ。ゲームプレイに直接関係ないとはいえ,ファンとしても気になるところだろう。当然,早矢仕氏もそれは認識しており,「胸揺れとは切っても切り離せないIP」と語っている。そして「世界で最高の胸揺れを実現する」という目標を掲げて開発に挑んだのだという。
 なにを持って“最高”なのかは判断に困るが,本作ではこれまで以上の揺れを実現しているだけでなく,コスチュームによって寄せて上げられるし,しかもそこに汗が流れる。「触ってみたい」と思わせるものを作ろうとしたそうで,一部のスタッフは同作のゲームエンジンを“パイリアルエンジン”と呼び,開発にいそしんだそうだ。とてつもない執念である。



 とはいえ,単に「胸揺れ格闘」といわれるのは心外だそうで,DEAD OR ALIVEシリーズはそれだけではない,と早矢仕氏は強調していた。一般の映画にもお色気シーンはあるし,水戸黄門にも入浴シーンがある。DEAD OR ALIVEの胸揺れもそういった類の要素あり,基本となる格闘部分があってこそなのだと述べていた。

 最後に,本作の発売を待っているファンに向けてメッセージをいただいたので掲載しよう。

早矢仕氏:久しぶりのDEAD OR ALIVEなので,お客さんが待ってくれているかどうか不安でした。ですが,情報を公開していくなかで,多くの方が期待してくれていたことを再認識しました。DEAD OR ALIVE 5のキャラクターたちが皆さんに愛してもらえると嬉しいです。



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※この記事は、4Gamer.netより提供された情報をもとに、テレビ朝日が改変・編集し掲載しています。元記事はこちら

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