堀井雄二氏や齊藤プロデューサーが登壇した「ドラゴンクエストX 」完成披露発表会をレポート。SMAPの5人が出演するCMも本日よりオンエア

  • 更新日:2012年7月26日

 スクウェア・エニックスから2012年8月2日に発売予定のWii用ソフト「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」の完成披露発表会が,2012年7月25日,東京・新宿のヒルトン東京で行われた。

 7月26日から放映される本作のテレビCMには,国民的RPGにふさわしく,国民的アイドルグループのSMAPが出演することも発表され,ゲストとしてメンバーの木村拓哉さんが登場した。
 本稿では,ドラゴンクエストシリーズの生みの親であるゲームデザイナーの堀井雄二氏,「ドラゴンクエストX」プロデューサーであるスクウェア・エニックスの齊藤陽介氏が出演した,完成披露発表会の模様をレポートしよう。



「ドラゴンクエストX」は“一人でも自分のペースで楽しめる”オンラインゲームに


ドラゴンクエストシリーズ エグゼクティブプロデューサー 三宅 有氏


 最初に,ドラゴンクエストシリーズのエグゼクティブプロデューサーであるスクウェア・エニックスの三宅 有氏が登壇し,開会の挨拶を行った。
 三宅氏は,25年以上のシリーズの歴史でもオンラインゲームという最大のチャレンジとなった「ドラゴンクエストX」がついに完成し,8月2日に発売を迎えることに触れ,開発者をはじめとした関係者,そして何よりもβテストに参加して一緒にゲームを作り上げてくれたテスター達に感謝の意を示したいと述べた。そして,「ドラゴンクエストX」ではまだまだ新しい情報があるので,これからはそういった情報を伝えていきたいと述べ,挨拶を締めくくった。

 続いて,堀井氏と齊藤氏が登壇して来場者に向けて挨拶したあと,「ドラゴンクエストX」のオープニングムービーが上映された。

  • 堀井雄二氏
  • 齊藤陽介氏

 堀井氏は,「ドラゴンクエストX」がシリーズ初のオンラインゲームになるということで,ファンの間では不安に思う声もあったとコメント。しかし,βテストを体験したプレイヤーから「やっぱりドラゴンクエストだ,安心した」という声が寄せられ,嬉しく感じたそうである。
 また,オンラインゲームということで垣根が高く感じている人も多いかもしれないが,他プレイヤーキャラクターをNPCとして冒険に連れていける「サポート仲間」など,一人でも気兼ねなくプレイできるゲームになっているとアピールした。


 齊藤氏は,堀井氏が“その世界に一緒にいる”感を重要視していると話し,「ドラゴンクエストX」では,たとえば街中でほかのプレイヤーとすれ違うだけでも,人とつながっている感じが得られるとコメントしていた。


 続けて齊藤氏は,本作はオンラインゲームではあっても自分のペースで進められるようになっているとし,その例として「サポート仲間」や「元気玉」のシステムを挙げた。
 サポート仲間は,ログアウトしたプレイヤーのキャラクターをNPCとして雇って冒険に連れていけるシステムで,サポート仲間として使ってもらうと,プレイヤーがログインしたときに,経験値やゴールドが付与される。つまり,他プレイヤーに雇ってもらえれば,忙しくて自分がログインできなくても,レベルが上がっていることもあるというわけだ。


 元気玉は,使用すると取得経験値とゴールドが一定時間2倍になるというアイテムで,プレイヤーがログアウトしている時間に応じて付与される仕組みになっている。場合によっては,ずっとログインしているよりも適度にログアウトしているほうが“効率”がいい局面もあるので,自分のペースでゆっくりと遊べるようになっているとのこと。

 「ドラゴンクエストX」は30日あたり1000 Wiiポイントの月額課金制を採用しているが,パッケージには20日分の無料利用券が付属するので,夏休みにたっぷり遊ぶことが可能だと齊藤氏は述べる。

 また齊藤氏は,子供にも遊んでもらうことも重要だと考えている本作では,月額料金を払わなくてもオンラインプレイを楽しめる「キッズタイム」という時間帯を用意したと述べる。キッズタイムは,月~金曜日(※祝祭日を含む)が16:00~18:00,土日が13:00~15:00となる。

 齊藤氏によると,キッズタイムの時間帯を決めるにあたっては,日本各地で開催した体験会でアンケートを実施し,その結果を参考に決定したとのこと。



 ここで,「ドラゴンクエストX」をさらに楽しむためのツールである,ニンテンドー3DS用ダウンロードソフト「ドラゴンクエストX 冒険者のお出かけ便利ツール」が,8月22日から配信されることが発表された。

 このソフトでは,「ドラゴンクエストX」のキャラクターデータを同期させたうえで,ニンテンドー3DSを持ち歩けば,ほかのプレイヤーと“すれちがい通信”でお互いのキャラクターのプロフィールやメッセージを交換できる。また,すれちがい通信をしたプレイヤーと「ドラゴンクエストX」の世界ですれ違う「ダブルすれちがい」という要素もあり,詳細は不明だが“素敵なこと”が起きるらしい。



 また,フレンド登録したプレイヤー同士ではゲーム内で“手紙”のやり取りができるようになるのだが,本ソフトを使えば,ゲームにログインしなくともフレンドと手紙をやり取りできるようになる。
 そのほか,ニンテンドー3DSから「運営スタッフからのお知らせ」を確認できるほか,フレンド登録したプレイヤーのオンライン状態を確認できたり,各大陸のバザーに出品しているアイテムのラインナップを閲覧できたり,自分のキャラクターがサポート仲間として雇われている状況を確認できたりといった,サポートツールとしての役割も持っている。
 なお,本ソフトは「ドラゴンクエストX」のパッケージ内に封入されている「引き換え番号」をニンテンドーeショップで入力することで,無料でダウンロードできる。

 齊藤氏は,ゲームをある程度プレイして,コミュニティが形成され始めた頃から利用してほしいと,本ソフトの配信日を発売日からずらした意図を明らかにしていた。
 堀井氏は,「ハードが進化して本当にいろんなことができるようになって,もっともっと楽しくなりそうだという気がしますね」と,ハードの垣根を超える連携機能に期待している様子だった。




木村拓哉さんがSMAP出演の新CMの撮影秘話を語る




 次に紹介されたのは,「ドラゴンクエストX」のCMについて。会場ではいち早くそのCMとメイキング映像が上映された。CMに出演するのは国民的アイドルグループ・SMAPの5人で,7月26日から全国でオンエアされるCMのタイトルは,「新SMAP募集」篇となる。
 CMは,SMAPの5人が「新SMAP募集」と題した緊急記者会見を実施するという内容で,リーダーの中居正広さんが「僕達SMAPは,8月2日からしばらく普通の男の子に戻ります」と宣言。その理由を聞かれたメンバーは,「ドラゴンクエストX」が出るからと口々にコメントするというものだ。

 ここで,CMに出演したSMAPの木村拓哉さんがゲストとして登場。CMの撮影現場に同席した堀井氏や齊藤氏とともに,撮影秘話を披露した。なお,木村さんの写真撮影はNGのため,本稿では掲載していない点はあらかじめご了承いただきたい。


 木村さんも完成したCMを観るのは今回が初めてだったそうだが,記者会見のシーンに“これはCMです”という注意書きのテロップが出ていることに触れて,インパクトを与えられるものになったのではないかとコメントしていた。


 次に会場では,CM撮影現場のメイキング映像が上映された。記者会見のシーンはスタジオにセットを組んだもので,100人近いマスコミ役のエキストラ陣もずらりと待機していたとのこと。スタジオに足を踏み入れた木村さんは,その臨場感あふれる様子に驚いたそうである。
 なおメイキング映像では,CMの撮影を終えたメンバーに「もし普通の男の子に戻ったら?」というインタビューのコーナーもあった。  中居さんは「遊園地に隣接しているようなプールに行きたい」,木村さんは「旅行」,草なぎ 剛さんは「ドラクエシリーズを1から9まで遊びたい」と回答。なお,「SMAPのコンサートを見たい」と答えた香取慎吾さんは,中居さんにファーストコンサートは見た(※)と突っ込まれたり,稲垣吾郎さんは「髪の毛を坊主にしてみたい」という“らしい”回答をしたりと,メンバーが和気あいあいとしているのが印象的だった。

※香取さんは,足を骨折していたため,ファーストコンサートでは1曲しか歌っていない

 なお,CMの後半ではSMAPのメンバーがそれぞれ別の部屋で「いくぞー!」というかけ声をあげるシーンがあるのだが,こではスタジオ内に3つの部屋のセットを作り,同時にカメラを回したのだという。
 また堀井氏によれば,CMの最後のかけ声はもともと別のセリフだったのだが,SMAPのメンバーの提案で最終的に「いくぞー!」になったという。
 このことについて木村さんは,かけ声のあとにドラゴンクエストのオープニングテーマが流れると想像して,テーマ曲につなげるのに一番いいきっかけになる言葉はなんだろうと考え,良いかけ声にするため,撮影中に監督や堀井さんと話し合って決めたのだという。堀井氏も,短いシーンなのにセリフに凄くこだわってくれたと非常に喜んでいた。

 木村さんは,マネージャーと相談してチャンスがあったら元気玉を増やしたいとコメントしていたので,もしかしたら,ゲーム内で木村さんのキャラクターに出会えるなんてこともあるのかもしれない。


 最後に,木村さん,齊藤氏,堀井氏がファンに向けてそれぞれメッセージを述べ,トークセッションを締めくくった。

木村さん:CMの「緊急記者会見」ではないですけど,世の中のニュースになるようなゲームって,あまりないと思うんです。なんでみんなの支持が高いのか,ニュースにまでなるほど多くの人に求められているのか,考えるところはたくさんあると思うんですけど。
 堀井さんも仰ってましたが,誰もが主役になれて,誰もが脚本家になれて,誰もが演出家になれて,そしてその世界が今回はオンラインということで,みんなで共有できる,本当にすごく魅力のある作品なんだなあと,あらためて実感できました。
 8月2日,本当に待たれている方がたくさんいらっしゃると思いますけど,楽しみに待っていてほしいと思います。

齊藤氏:なかなか実感が持てなかったんですけど,この発表会を終えて「来週発売するんだな」ということが,ようやく感じられるようになりました。発売日が楽しみでもあり,不安な部分もあるんですけど,多くのお客様には,非常に楽しみに待っていただいていると思います。開発スタッフも,皆さんに「ドラゴンクエストX」の世界に入っていただくことをすごく楽しみに待っています。

堀井氏:あと1週間ほどで発売なんですけど,ドラゴンクエストということで,今までオンラインゲームをやっていない人たちがいっぱい遊んでくれるんじゃないかと思うんですよ。今までオンラインゲームって敷居が高いものだと思っていたけど,普通の人たちがやってくることで,またオンラインの世界が変わってくるんじゃないか――そういう期待があります。ぜひ遊んでもらいたいですね。


 そして最後に,スクウェア・エニックス代表取締役社長の和田洋一氏が登壇してスピーチを行った。
 和田氏は,ドラゴンクエストシリーズでは,新しい遊びを提供し,どうやってプレイヤーに楽しんでもらうかを考え進化し続けてきたことで,26年の長きにわたり支えてもらえたとコメント。
 シリーズ初のオンラインゲームであることについて,今までのドラゴンクエストシリーズでは,ゲームをクリアしてレベルも上げきってしまうと“寂しいような切ないような気持ち”になったことがあるかもしれないが,オンラインゲームである「ドラゴンクエストX」では,毎日のようにプレイヤーにドラマがあり,発見があり,ずっとその世界に浸っていられると,その魅力を強調。
 和田氏は,「ドラゴンクエストX」は8月2日に発売日を迎えるが,本当にプレイヤーから評価されるのは,何か月か何十か月か遊んでもらったときに「本当に楽しかった」と言ってもらえるときだと述べる。そのときまで頑張って開発・運営を続けていくので,来週は勉強や仕事の手を休めて,「ドラゴンクエストX」の世界へ入ってほしいと述べ,発表会を締めくくった。






会場では,さまざまな「ドラゴンクエストX」関連グッズも展示されていた


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※この記事は、4Gamer.netより提供された情報をもとに、テレビ朝日が改変・編集し掲載しています。元記事はこちら

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