格ゲー初心者も上級者も,ジョジョファンならば“ディ・モールト”良い完成度! 「ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル」のプレイレポートだッ!
- 更新日:2012年9月22日
1987年の連載開始以来,途中ブランクをはさみつつ現在も連載が続いている荒木飛呂彦氏の大人気コミック「ジョジョの奇妙な冒険」。その連載25周年を記念するPlayStation 3タイトル「ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル」が,バンダイナムコゲームスより2013年に発売される予定だ。“スタイリッシュ格闘ジョジョアクション”と銘打たれた本作は,各シリーズの主要キャラクターが登場し,世代を超えた夢のバトルを繰り広げるという格闘アクションゲームである。
東京ゲームショウ2012のバンダイナムコゲームスには,本作の体験版試遊台が4台用意されており,スタッフからの解説を受けつつ2P対戦モードをプレイできる。本稿では,この体験版の内容やプレイフィールなどをお届けするッ!
今回出展されている体験版では,ジョセフ,ワムウ,承太郎,ジャイロの4キャラクターを選択可能だ。ゲームは1対1で戦う対戦格闘のスタイルで,各キャラクターが原作で見せた能力を,格ゲー定番のコマンドを通じて必殺技としてくり出せるようになっている。
格闘ゲームでは,コマンド入力の難しさが初心者プレイヤーにとって足かせとなり,キャラクターの見たいアクションを見られないなんてことも多かったが,本作ではそんなコマンド入力を意識しなくてもいいように作られている。弱・中・強の通常技がPS3の[□ / △ / ○]ボタンにそれぞれ割り当てられており,□ボタンの弱攻撃を連打してコンボをつなげることで,最終的に“ハートヒートアタック”という必殺技まで自動的に出せるという,「イージービート」なるシステムが実装されているのだ。
コマンド自体も,今回遊べる4人のキャラクターに関しては複雑なものが一つもなく,キャラクターごとに共通だったり,ガチャプレイで出せたり(出てしまったり)という設定になっている。ジョジョは好きだけど格闘ゲームは苦手……という人でも,簡単操作でキャラクターのアクションを楽しめるような配慮が,要所に組み込まれているのが好印象だった。
なお前述のイージービートは,通常技を弱から強へ順にくり出すことで「チェーンビート」というコンボになる。また,L2ボタンでの“プッツンキャンセル”を使えば,必殺技後の隙をキャンセルして別のコンボへ発展させられるなど,上級者が注目すべき要素もいくつか用意されており,プレイヤーの間口はかなり広く作られているように感じられた。
参考までに,今回出展された体験版の操作方法と技表がこれだ。2D対戦格闘時代からの慣れ親しんだコマンドがほとんどで,キャラ共通のものも多いのが分かるだろう
ここで今回使用可能なキャラクターについても触れておこう。ジョセフはもちろん,波紋を使う2部のキャラクター。クラッカーヴォレイや,ワムウ戦で見せた巨大スレッジ・ハンマーで攻撃する必殺技などを持っている。後方へのバックダッシュが“逃げるんだよォ!”のポーズだったのには,思わず吹き出してしまった。
第2部主人公 ジョセフ・ジョースター
そのライバル的存在である柱の男ワムウは,風の流法(モード)の使い手。両腕からくり出す神砂嵐で敵を粉砕し,“風のプロテクター”では体を透明にして防御する。ゲームでも「ワムウは風になった」のである。
スタンド使いの承太郎は,R1ボタンでスタンドのオン/オフが可能だ。同じ必殺技でもスタンドが出ている状態と,出ていない状態で攻撃方法が変わるなど,テクニカルな面白さがあった。またハートヒートゲージを消費して,時を止めるという反則的な技も持っている。
第3部主人公 空条承太郎
7部の主人公ジャイロは,R1ボタンで愛馬ヴァルキリーを呼び出し,乗ることができる。騎乗したジャイロの一撃は超強力で,必殺技も通常時とは違ったものが使えるが,イージービートができなくなるなど,一部の行動が制限されてしまうというデメリットもある。騎乗時の姿はかなりダイナミックなので,TGS会場で遊ぶ機会があったらぜひ見てほしいものだ。
ゲームシステムは2D対戦格闘だが,キャラクターは3Dで描かれており,荒木飛呂彦氏のカラーイラストのタッチをCGで絶妙に表現している。とくに,登場シーンや必殺技発動時などのキャラクターがアップになる演出は,ファンならシビれるのではないだろうか。
一部の効果音が画面上に“ジョジョフォント”で表示されたり,「スタイリッシュムーブ」と呼ばれるジャストタイミングでのガードが発動したときには“ジョジョ立ち”で攻撃を回避したりなど,いちいち“分かっている”仕様に,ニヤリとしてしまった。
なかでも圧巻なのは,必ずどこかで一度発生する,ステージごとのハプニング的なイベントだ。闘技場を走り回っている吸血馬の戦車がステージを横切ったり,フィリップス上院議員の暴走リムジンが突然突っ込んだりしてくるのだが,その発生場所にいたキャラクターは吹っ飛ばされ,ハートヒートアタック1回分ぐらいの大ダメージを食らってしまう。イベントが発生する場所は直前にガイドが表示されるものの,当然バトルの真っ最中なので,簡単に回避はさせてくれない(または簡単に回避させてやらない)などといった駆け引き要素の一つとなることだろう。
こういったジョジョファンのツボをつく演出が,ゲームシステムに無理なく組み込まれているあたりや,初心者でも遊びやすく作られている点などが,非常に評価できる内容だった。
第5部主人公 ジョルノ・ジョバァーナ
20日に会場で行われた本作のステージイベントで,開発を手掛けるサイバーコネクトツー松山洋氏が発言していた「我々は格ゲーを作るつもりは毛頭ない」という言葉のとおり,対戦格闘の勝負うんぬんはあまり考えず,ファン同士が集まって「グレートだぜ……」などとニヤニヤつぶやきながら隅々まで遊び尽くすというのが,本作の楽しみ方のような気もした。とにかく,すべてのジョジョファンが触って喜べる作品を届けたいという作り手の熱意に,ぼくは敬意を表するッ!
なおTGSの会場では,バンダイナムコゲームスのブースに試遊台があるほか,SCEブースのPS3スペースにも2台の試遊台が用意されているので,もしバンダイナムコゲームスのほうが混んでいたら,そちらに行ってみるのもいいかもしれない。
かなりの注目作だけあって,ビジネスデイの21日も開場直後から来場者が列を作り,10:15の時点で70分待ちとなっていた
試遊コーナーの出口では,等身大の露伴先生がお見送り。ほかにもバンプレストのプライズフィギュアなどが展示されていた
「ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル」公式サイト
※PCサイト
東京ゲームショウ2012 バンダイナムコゲームス特設サイト
※PCサイト
(C)荒木飛呂彦&LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社 (C)2012 NBGI
※この記事は、4Gamer.netより提供された情報をもとに、テレビ朝日が改変・編集し掲載しています。元記事はこちら