救済か生贄か? もちろん生贄だ! 世界初公開となる「SOUL SACRIFICE」のマルチプレイデモで仲間を全員犠牲にしてきた

  • 更新日:2012年9月21日

 comceptの稲船敬二氏が手掛けることで注目を集め,2013年春にソニー・コンピュータエンタテインメントから発売が予定されているPlayStation Vita用アクション「SOUL SACRIFICE」。東京ゲームショウ2012のソニー・コンピュータエンタテインメントブースでは,一般向けのプレイアブル出展が行われていたので,プレイレポートをお届けしたい。

 プレイアブルデモで体験できるのは,4人(正確には来場者3名+インストラクター1名)によるマルチプレイだ。6月に行われたE3 2012では,クローズドのブースにシングルプレイのプレイアブルデモが展示されていたが,マルチプレイに触れられる機会は今回が初となる。

 デモプレイの内容は,犬のような3つの顔を持つ「ケルベロス」を倒すものと,鳥の身体に人間の顔がついたような魔物「ハーピィ」に挑むものの2種類。今回は,前者のクエストをプレイしてみた。



 クエストの序盤は,あまり強くない小型の魔物と戦うことになる。操作に慣れるまでの練習相手といったところだが,SOUL SACRIFICEの操作を理解していないうちは,結構てこずるかもしれない。
 基本操作は,左スティックでキャラクターの移動,右スティックでカメラの移動,[×]ボタンで回避行動,そして[○/△/□ボタン]で本作のキモとなる魔法が使えるようになっている。

 本作における魔法とは,「供物」と呼ばれる触媒を犠牲にすることで発動させられる力のこと。本来ならば魔物を生贄に捧げて集めた植物や鉱物などを供物として使うのだが,今回は体験プレイということで,最初から魔法が連発できるよう,あらかじめ供物を多めに持った状態でのスタートとなっていた。



 面白いところは,魔法によって効果やエフェクトが異なるだけでなく,発動後の性質や操作方法までもが大きく異なってくること。たとえば,火をモチーフにした魔法であっても,ある程度敵を追尾して飛んでいく炎の槍や,放物線を描いて飛んでいくために着弾点を計算して使用しなければならない火球など,使い勝手が違ってくるのだ。
 ほかにも,剣を出現させて斬撃を行う魔法,岩石を身にまとって突撃する魔法,雷の球を空中に設置して接近してきた敵を攻撃する魔法,さらにはテレポートのような回避用魔法やHPを回復する魔法など,今回確認できただけでも18もの種類が用意されている。発動中の操作方法が変わるというのは,魔法の1つ1つが個性的に感じられ,使っていてかなり楽しい部分といえるだろう。ただ,クエストに持ち込める魔法は6個までという制限があるので,どの魔法を選ぶか頭を悩ませることになるかもしれない。
 ちなみに,戦闘はスピーディなテンポで展開し,次から次へと派手な魔法を繰り出せる。強力な魔法は発動までの詠唱が長いため使いどころが難しいかもしれないが,これはこれで魔法っぽさが感じられ,きっちり発動できると爽快だ。



 さて,操作をある程度理解し,小型の魔物を倒し終えると,いよいよボスのケルベロスが登場。このケルベロスは,素早い突進や爪での攻撃,衝撃波のようなものを飛ばす遠距離攻撃などで,容赦なくプレイヤーキャラクター達を倒しにかかってくる。HPがなくなり,やられてしまうプレイヤーも出てくるのだが,ここで体験できるのが,本作の大きな特徴である「死にゆく者を救済するか,それとも生贄にするか」をプレイヤーが決められるシステムだ。

 このシステムについては過去に何度か説明しているが,あらためて解説しておこう。本作では,倒した魔物や倒されたほかのプレイヤーの「魂」をどうするかを選べるようになっている。
 魔物の魂の場合は,救済を選択すると防御力などが,生贄を選択すると攻撃力が向上する仕組み。ほかのプレイヤーの魂の場合は,救済を選ぶとHPが減る代わりにそのプレイヤーを復活させることができ,生贄を選択すると強力な魔法が使えるようになる代わりにそのプレイヤーが戦線離脱してしまうのだ。
 生贄にされたプレイヤーは,人魂となって味方の強化や敵の弱体化といったサポートを行えるが,攻撃手段が一切なくなってしまう。
 つまり本作では,「最後まで一緒にあいつを倒そう!」と救済するか,「すまない,あいつを倒すために死んでくれ」と生贄にするか,すべてプレイヤー自身の手に委ねられるというわけだ。



 ちなみに筆者の場合は,最初に倒された仲間を問答無用で生贄にし,続いて倒された2人めの仲間もやっぱり生贄に。3人めの仲間が倒れたときは「さすがに救済も試してみたいなぁ」と,1度は救済をしてみたが,再び倒されてしまったので,迷うことなく生贄にした。
 そんなわけで,ケルベロスの討伐は成功。ただ,いっしょにプレイした仲間達を皆殺しにしてしまったわけで,さすがにちょっと良心が痛んだが,「なるほど,これが代償ということなのか」などと妙に納得してしまった。



 本稿の最後にケルベロス戦の様子を撮影した直撮りムービーを掲載しておくので,気になる人はチェックしてみてほしい。救済と生贄のシステムだけでなく,スピーディかつ派手な魔法戦はアクションゲームとしてかなり面白いので,戦闘の雰囲気を掴んでもらえれば幸いだ。
 わりと必死にプレイしているので,撮影中にPS Vitaが動いてしまっているが,その点はご容赦いただきたい。

 なお,インストラクターのお姉さんがムービーの後半で「瀕死の仲間を助けてあげて」といっているのに,無視してほかのプレイヤーを生け贄にしている筆者を確認できるかもしれない。
 これは着用しているヘッドセットから聞こえてくるはずの指示が,なぜか聞こえない状態になっていたからであって,別に無視していたわけではないと,筆者の人格が疑われる前に一応言い訳しておきたい……まあ,生贄にしたのは事実なんですけど。



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※この記事は、4Gamer.netより提供された情報をもとに、テレビ朝日が改変・編集し掲載しています。元記事はこちら

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