[E3 2012]「HEAVY RAIN」の開発元による完全新作「BEYOND TWO SOULS.」。謎のパワーを使う美少女の15年が描かれるアドベンチャーゲーム

  • 更新日:2012年6月8日


 6月4日に行われたSony Computer Entertainmentのプレスカンファレンスで発表された「BEYOND TWO SOULS.」。本作はQuantic Dreamの新作ではあるものの、女優エレン・ペイジさん(アカデミー主演女優賞にノミネートされたことがある)が主人公のモデルになっているといった断片的な情報と、なんとも不思議なムービーが公開されているだけで、いまだゲームの概要ははっきりしていない。
 そんな本作について、Quantic DreamのトップであるDavid Cage氏がデモを交えて解説してくれたので、その内容を紹介しよう。



 Cage氏が最初に見せてくれたのは、主人公であるジョディが一人で列車に乗って寝ているシーンだ。てっきりジョディを動かすことでゲームが始まるのかと思いきや、なんとジョディから抜け出たように登場したアイデン(AIDEN)と呼ばれる霊的な存在を操作することなった。
 登場とは書いたが、実際には姿は見えない。それでも視点を自由に変えられるほか、障害物もお構いなしに移動できる。しかし、オブジェクトへの干渉がまったくできないわけでもなく、デモプレイでは空き缶を落としたり、人が読んでいる新聞を飛ばしてしまったりするシーンも確認できた。


 ひと通り列車内を移動すると、場面は駅に切り替わった。そこには警察らしき男達がおり、どかどかと列車に乗り込んできて、誰かを捜すそぶりを見せる。続いてジョディが映し出されたところで、今度はジョディを操作できるようになった。
 とはいえ、警官達の目を盗んでゆっくりと歩き出したところで発見されてしまい、一気に大捕物がスタート。ジョディは列車の通路をひた走るわけだが、いかんせん狭い。前方と後方から挟まれると逃げ道はなくなる。
 「あっけなく捕まるのか」と思った矢先にジョディは前方を塞ぐ男に殴りかかった。そこからは画面に「○」「L1」などPlayStation 3のコントローラにあるキーが表示され、それを的確に押せると、ジョディが相手の攻撃をかわしたり、殴ったりと、さまざまなアクションを取らせることができるようになる。指示されたキーを的確に押せなかった場合は、避けそこなったりしてしまうわけだが、今回のデモプレイではすべて成功。格闘技の経験があるとしか思えない体術で、襲いかかる警官達を次から次へといなし、どんどん前に進んでいくジョディであった。

 とはいえ、列車である以上、行き止まりはある。ジョディは途中でトイレから屋根の上に出て追跡者をやりすごそうとするのだが、そこにも追手はワラワラと現れ、ジョディを追い詰める。万事休すか、というタイミングでジョディが「アイデン」と叫ぶと、彼女は光の幕のようなものに包まれ、列車から飛び降りた。空中にいる間に発砲されるも、体の周りにある光が銃弾を遮り、無事に着地。



 なんとかやり過ごしたかと思いきや、追手がさらに現れ、ジョディは山の中に逃げていく……。


 Quantic Dreamが以前開発したPlayStaiton 3用タイトル「HEAVY RAIN -心の軋むとき-」のプレイ経験がある人には分かると思うが、ゲームの基本部分はかなり似ている。ストーリーのつながりこそないが、精神的な続編と捉えても問題ないだろう。もちろん、BEYONDのために新たに作ったというゲームエンジンの効果によって、HEAVY RAINよりもグラフィックスのクオリティは格段にアップしているし、アイデンと呼ばれる謎の存在によって物語とゲームプレイの両面でアクセントが効いているなどの進化はうかがえる。

 アイデンを操作しているときは、ほかのキャラクター達のオーラが見える設定になっており、キャラクターの周りにボワっとして光がまとわりついるのが分かる。
 オーラはキャラクターの気分や調子などで色が変わるという特徴があり、赤いオーラをまとっているキャラクターは、アイデンを使って絞め殺すこともできてしまう。また、オレンジ色のオーラを発しているキャラクターはアイデンで憑依して自由に操れてしまう。デモプレイではアイデンが警官を操ってパトカーをでたらめに運転させ、その隙にジョディがバイクで逃げるといったシーンが紹介されていた。



 デモプレイの終盤では、小さな街で追い詰められたジョディ、というかアイデンが大暴れするのだが、これが圧巻。Cage氏はなんでもできると表現していたが、まさにその通りで、アイデンが車を投げるは、ヘリを操作している人を操って墜落させるは、のやりたい放題。最終的に追っ手をこてんぱんにやっつけてしまって終わるわけだが、暴れ方はプレイヤー次第なのだという。もっと地味に追っ手を倒すこともできるし、さらに派手に撃退することもできるのだ。

 なお、プレイヤーが操作するのは基本的にジョディとアイデンのみだが、本作ではジョディの15年間が描かれているため、さまざまな年代のジョディを操作することになるという。年齢によってジョディとアイデンの関係も異なっているそうで、今回のようにアイデンが大活躍するというわけにもいかない場合もあるかもしれない。

 HEAVY RAINと似通った部分はあるにせよ、ジョディとアイデンの関係はいったいどういったものなのか、そもそもジョディはなぜ追われているのかなど、謎は尽きない。続報が楽しみな一作と言えるだろう。


※この記事は、4Gamer.netより提供された情報をもとに、テレビ朝日が改変・編集し掲載しています。元記事はこちら

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