[E3 2012]「The Last of Us」の設定やストーリーが明らかに。人を凶暴化させる謎の菌類が人類を滅亡へと導く

  • 更新日:2012年6月8日

 アンチャーテッドシリーズで知られるNaughty Dogの新作「The Last of Us」は、現時点で謎に包まれた作品の1つだろう。公開されたムービーやスクリーンショットから、主人公と思われるジョエルとエリーが何かから逃げていることは見て取れるのだが、その理由までは分からない。
 また、アンチャーテッドシリーズと同じジャンルのゲームということで、その派生タイトルのように見えるところもあるが……果たして。そんな疑問を解決すべく、E3 2012の会場内で、本作のクリエティブディレクターを務めるNeil Druckmann氏に話を聞いてみた。

 Druckmann氏によると、本作の世界には人々を凶暴化させてしまう謎の菌類が蔓延しており、その影響で人類はまともな生活が維持できなくなっており、さまざまな場所が廃墟化しているという。Sony Computer Entertainmentのカンファレンスで公開されたムービーを見ても分かるとおり、ビルや道路は崩れ、街として機能している様子はない。これは、その謎の菌類に感染してしまった人々の仕業であり、主人公であるジョエルとエリーは罠にはまり、彼らの巣ともいえる場所に誘い込まれてしまったのだという。




 しかし、いくらゲームの設定といえど、そんなに人を都合よく操るかのような菌類はいかがなものかと思ったのだが、実は昆虫に寄生する似たような菌類が存在するのだという。この昆虫菌は虫に寄生すると、菌類の成長と胞子の拡散を目的に宿主をコントロールしはじめる。そしてその昆虫は、目的の場所への移動が完了すると死んでしまうのだ。「この恐ろしい菌類が人間に感染したらどうなるのか」といったことを考えたことから、ストーリーのベースがイメージできたのだそうだ。

 なお、ジョエルは40代後半で、エリーは14歳という設定ではあるが二人は親子ではない。ジョエルの友達が死ぬ間際に預けた娘がエリーなのだ。つまりゲーム序盤での二人はほぼ初対面という関係で、リレーションシップもぎこちない。だが、時間が経つ/ゲームを進めていくことで二人の関係は徐々に変わっていく。といっても、どのプレイヤーが遊んでも同じような関係性になるわけではなく、プレイの仕方で違いが出てくるのだ。
 例えばムービーにあったように敵の頭に銃を突きつけて盾にするといったことを繰り返すと、エリーの性格もそういった方向へ傾くのだという。また、エリーはジョエルの行動を覚えていくため、ひたすら正面突破を繰り返していると、エリーも猪突猛進型になってしまう可能性がある。成長期真っ盛りのエリーは、ゲーム全体を通して人として成長していくわけだ。詳しくは語ってもらえなかったが、ゲーム後半になるとジョエルの背中を見て育ったエリーが、かなりのサバイバル術を身に付けているかもしれない。



 ちなみにジョエルの行動を覚えていくのはエリーだけではなく、敵も記憶していくのだという。どこまで覚えるかは分からないが、あまり同じパターンで戦っていると、ゲーム後半では先を読まれやすくなるかもしれない。
 敵のAIには力を入れているそうで、ムービーを見ると戦闘シーンもかなり人間くさい動きをしていたのが分かる。特定のパターンで行動しているわけではないので、同じシチュエーションでもプレイの仕方で敵のポジション取りなどが変わるそうだ。



 グラフィックスやキャラクターモーションの質が高いのは、公開されたスクリーンショットやムービーを見て分かっていた。しかし、本作はそういった面だけを磨きあげるのではなく、父と娘(実際には違うが)の関係をストーリーで描き、さらに、ゲームプレイにも影響が出るようにデザインするなど、奥深い仕掛けが用意されている。
 露出度が高めの若いお姉ちゃんをパートナーに設定したほうが、売れやすかったかもしれないが、そういう安易な方向に逃げることなく、青くさくなりがちなテーマを選ぶあたりは、なかなか挑戦的ともいえるだろう。この難しいテーマをどう料理するのか気になるタイトルだけに、発売が待ち遠しい。




(C)2011 Sony Computer Entertainment America LLC. The Last of Us is a trademark of Sony Computer Entertainment America LLC.Created and developed by Naughty Dog.


※この記事は、4Gamer.netより提供された情報をもとに、テレビ朝日が改変・編集し掲載しています。元記事はこちら

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