アメリカ映画界ラスボス! アカデミー賞に輝く大名優ロバート・デ・ニーロが、主演最新作『マラヴィータ』の宣伝のため、プライベート・ジェットで来日を果たした! 脚本と監督はフランスの大御所リュック・ベッソンで、製作総指揮はデ・ニーロの盟友で、あの巨匠マーテイン・スコセッシ! この豪華BIG3で描くマフィアの物語は、鑑賞前の時点で傑作確実の予感ということで、この貴重な機会を無駄にしないよう全力取材しました!
■リュック・ベッソンとは知り合いでね、いつか一緒に映画を撮りたいと言い合っていた
Q:数年前に『ヒューゴの不思議な発明』(11)で来日したスコセッシ監督は、再タッグを希望していましたよ! 最近はレオナルド・ディカプリオとのタッグが多かったですよね!
もちろん、僕もいつだって一緒にやりたいと思っていた(笑)。というかだ、今回、リュック・ベッソンをマーティンに紹介した張本人は僕で、彼らは実際に会って今回の映画のコトを相談したってわけだな。僕が間に入った。マーティンとの仕事は、いつだってOKだよ。
Q:今回の『マラヴィータ』のブレイク一家は、血の気が多いマフィアの家族ですが、クールでチャーミングなファミリーですよね。一番出たいと思った理由は、どこにありますか?
実はもともとリュック・ベッソンとは知り合いでね、いつか一緒に映画を撮りたいと言い合っていたわけだ。それで、ある企画があったけれど、それが流れてしまってね。その後、今回の映画の原作が手元に来て、これをシナリオ化するアイデアはどうか? というリュックのアプローチがあって、初めは監督を別に立てようと思っていた。ところが、我々が気に入るような監督は、そうそうヒマなわけがない(笑)。なので、リュックに自分で撮るアイデアはどう? と言うと、自分でもそう思う、ってね(笑)。その結果、シンプルにハナシがまとまって、マーティンが参加して、完成まで実にスムーズに物事が動いていった。
Q:2000年代以降、家族がテーマの映画に出る機会が多くなりました。年齢的なものですね。
『ミート・ザ・ペアレンツ』(00)では、オファーを受けて父親役を演じた。そりゃ、年を取れば、おじいさん、ひいおじいさん、ひいひいおじいさん役が多くなるものだ(笑)。それはそうと、『Grudge Match(原題)』(13)という新しい映画があってね。僕とシルヴェスター・スタローンがボクサー役同士で戦うわけだが、こういう映画で対面を果たすことは面白いね(笑)。あのロッキーと“レイジング・ブル”が戦うわけだ。こういう映画にも出ておる(笑)。それにデジタル時代なので、『Grudge Match(原題)』(13)では、顔を変えることが可能だった。だから、年寄りにも若くもなれる。そういう時代になったわけだな(笑)。
■僕は忙しくしているほうがいいので、退屈な人生は考えない
Q:それにしても多忙です! 30代であればアカデミー賞がほしい、有名になりたいというモチベーションがありますが、もう伝説的な名優じゃないですか。今は何が原動力ですか?
じゃ、どうすりゃいい? 何も追い求めないで(笑)。ハトか何かにエサをやれだって(笑)? まあ、とにかく楽しいわけだ。僕は忙しくしているほうがいいので、退屈な人生は考えない。もちろん、リラックスする時間もある。公園を散歩することだってね。おかげさまで健康だ。長寿であって、ほかにやることがなければ、好きな道を行くことになるわけだよ。
Q:それもそうですね! 主人公はマフィア稼業をプライドに感じていますが、たくさんの傑作を生み出している映画俳優という仕事をしていて、どういう時に誇りを感じますか?
もちろんだ。もちろん、誇りを感じる瞬間はある。それと同時に、感謝とラッキーということを感じる気持ちがある。どちらかというと、本当にラッキーという気持ちが一番強い。
■今度はアル・パチーノとギャング映画!! デ・ニーロ最新作情報が満載!!
Q:ファンとしては、劇中における『グッドフェローズ』(90)の大胆な引用が感動的ですが、今回のために『グッドフェローズ』(90)を観返しましたか? また、一番観た出演作って?
観たことなかったよ(笑)。だから、今回初めて観たよ。まあ、忘れちゃうので、記憶をリフレッシュするために観た。それから特典映像だよね。そこには、いろいろなインタビュー映像があって、そこで初めてマフィアやヘンリー・ヒル、スコセッシのインタビュー映像を観た。だから、その当時、知らなかった情報が多くてね。大いに参考になったわけだ。この映画のために観返して、本編を思い出して、新たに知ったこともあったということだ。
Q:スコセッシ監督とジョー・ペシ! ゴリゴリのギャング映画を来年、作ってほしいです!
来年は無理だが(笑)、企画はあるよ。“I Heard You Paint Houses”を映像化しようとしていて、これはジミー・ホッファが出てくるギャング映画で、ジョー・ペシ、そしてアル・パチーノが出ることが決まっている。監督はスコセッシだよ。これは、もうすぐ始まるよ。
Q:いやあ、当時の興奮が戻って来ますなあ! ついでに聞いちゃいますが、あの『タクシードライバー』(76)、あの『ミッドナイト・ラン』(88)の続編のウワサもありましたよね?
『ミッドナイト・ラン』の続編は、若い子が書いている。だから、これはもうやるだろうね。『タクシードライバー』の続編は、ポール・シュレイダーが書こうとしたが、ダメだった(笑)。でも、また復活するかもしれないし、こういうことは最後までわからないからね。
Q:イイ話、本当ありがとうございました! 監督業としても、最新作が待ち遠しいですね!
監督作としては、『グッド・シェパード』(06)の続編が作りたいね。まだ具体的ではないけれど、テレビ映画になるだろうね。連ドラみたいに、10話などのシリーズにしたい。ドラマは細かい点まで描写が可能だが、僕はどうしたって映画俳優なので、どうなるかはわからないかな。現実にはどうなるかわからないけれど、いずれにしても頭の中にはあるよ(笑)。
■取材・構成・撮影/鴇田 崇(OFFICE NIAGARA)
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