JOKER
二人揃って身長180cm超の迫力にまず圧倒される。俳優としても活躍中の加藤和樹と、その盟友・伊達幸志によって結成されたJOKER。シャープな色気と熱い魂が同居する実に強力なこのユニットについて、小室哲哉が楽曲提供した2ndシングル「Rolling Life」を軸に、その魅力と音楽性に迫ってみた。
Q:結成のいきさつをまず伺いたいなと思うのですが。
加藤和樹(Vo.):僕は今までずっとソロでやってたんですが、音楽デビューして5年を迎えて、分岐点じゃないですけど、もっと新しいことをやりたいなと思ったんですよ。誰かと一緒にやることで新たな刺激や、ひとりでは得られない楽しさが生まれるんじゃないかと。伊達とはもともとミュージカル『テニスの王子様』で共演して仲良かったし、彼も音楽をやっていて、背も高いので……。
Q:あ、“背が高い”は重要なポイントだったんですね。
加藤和樹:並んだときの見え方とかピッタリなんじゃないかなと思いまして(笑)。それで“一緒にやらない?”って声をかけたのが始まりなんですよ。昔から“何か一緒にできたらいいね”っていう話はしてたし、そのタイミングが巡り巡って今かなっていう。
伊達幸志(Gt.):身長があってよかった(笑)。
加藤和樹:はははははははは!
Q:目指す音楽性や、活動スタイルについては?
加藤和樹:とにかくカッコいいものをやりたいと。今の世の中、草食系とか言われがちですけど、俺たちはより男くさいものを作っていきたい。もともと彼とは音楽性も全然違うので、それが融合したら面白いものが生まれるんじゃないかなって。
伊達幸志:どちらかというと加藤君はポップス系で、俺はブルースとかフォークとか。JOKERをやるに当たってもポップスの要素は大事いしつつ、ロックンロールの要素もどんどん出していきたいなと。
Q:二人になると、やっぱりいろいろ変わりますか。
加藤和樹:もちろん。今までひとりだったぶん、ステージでも隣に相方がいるだけで意識しますし、そこは頼る部分と負けられないっていう気持ちで。楽曲制作にしても、お互いに自分にないものを出し合って新たなものを生み出す感覚が楽しいし、生まれる瞬間っていうのは……ね?
伊達幸志:うん。もう無言で喜んでます(笑)。
加藤和樹:歌詞ひとつ書くにしても、幸志がいることによって、より“加藤和樹”ではない、JOKERとしての出し方を意識するようになりましたし。
伊達幸志:“JOKERの加藤和樹”という存在感が“ソロの加藤和樹”から下回ってしまったら俺がいる意味がないですからね。俺がいることで加藤君の意識に変化を与えられれば、ライヴにしてもまたこれまでとは違うものになるでしょうし。でもボーカリストとしても魅力的な人なので楽しいですね、後ろでギターを弾いてる身としては。
Q:伊達さんは音楽一本に絞って活動されている一方、加藤さんは現在も俳優業をなさっていますよね。演技と音楽で表現できる世界ってやっぱり違うものですか。
伊達幸志:どうなんでしょうね。俺はもう『テニスの王子様』が終わってすぐに俳優は辞めて音楽のほうに行ったので……演じることが俺にはもうとてもとても向いてなくて(笑)。
加藤和樹:そんなことはなかったけどね(笑)。
伊達幸志:でも難しかったですよ、どうしても照れが出てしまうというか。やっぱり音楽が俺の生きる道なんだなと。
Q:加藤さんはいかがです? 意識の切り替えとかされていますか。
加藤和樹:極論を言えば伝えたいことって一緒だと思うんですよ、表現方法が違うだけで。演じているときは自分じゃないキャラクターになりきりますけど、結局は自分というフィルターを通してその役の想いや作品が伝えたいことを表現しているわけで。ただ、音楽は自分から生まれてくるものだし、表現するのも自分自身なので、ある意味、リアルなものを届けられるとは思ってます。
Q:今回のシングル「Rolling Life」は小室哲哉さんの楽曲提供で、しかも表題曲「Rolling Life」では作詞も小室さんが手がけられていますが、このコラボレーションで得たものは大きかったのではないでしょうか。おそらくお二人の中にあるものとはまた違う要素が満載な楽曲だと思うのですが。
加藤和樹:はい。僕はもう小さい頃から小室ファミリーと呼ばれるアーティストの方々の音楽を聴いてきてるし、ホント雲の上の人だったんですよ。なのに前回のミニアルバムから2作連続でこうして楽曲提供していただいて。しかも今回はプレイとコーラスでも参加してくださってるんですよ。時代を作ってきた人の作業を間近で見ることができて、ただただ、すごいなと。スタジオの空気が違ったもんね?
伊達幸志:やけに人口密度が高かった(笑)。
Q:最初にこの曲を聴かれたときの印象は?
伊達幸志:1回聴いただけで耳に残る、帰り道には頭の中で流れてるっていうマジック的な強さがさすがだなって。
加藤和樹:展開もすごく特殊で。聴かせるところは聴かせるし、ループするところはもう延々と続くので“これ、終わらないんじゃない!?”って(笑)。それと最初に聴いて思ったのは“これ、どこでブレスするんだ?”って(笑)。
伊達幸志:加藤君、大変だったよね(笑)。レコーディングでぶっ倒れてましたもん。
加藤和樹:久々にレコーディングで腹筋つりそうになりました(笑)。
伊達幸志:俺はそれを笑って見てるしかないっていう(笑)。
加藤和樹:これはもう小室さんからの挑戦状だと思いましたね(笑)。今まで小室さんの曲を歌われてきたアーティストはみんなこれを経験してきたんだなと。やっぱり簡単にはいかないんだなと思いましたし……でもこれを自分なりに歌えたことで、また一段上に上がれたのかなと。
伊達幸志:ギターも展開は複雑なんですけど、“こういう発想もあるんだ!”ってすごく刺激になったし勉強になりました。今後、この楽曲をどこまで僕らのものにできるか、小室さんカラーをいかにJOKERらしく表現できるかが楽しみです。
Q:でも歌詞の世界観はどこかしらJOKERに通じるものがある気がして。
加藤和樹:この歌詞に関してはかなりストレートだなと。小室さんご自身も前に向かって突き進まれてる感じが伝わってきますし、何かを乗り越えた決意みたいなものをすごく感じましたし。それを小室さんがJOKERに書いてくださったっていうことに意味があるんだと思いますね。
伊達幸志:ホントいろんな人が共感できる歌詞だと思います。人生観とも取れるし、恋愛とも取れる。そういうところもすごいですよね。
加藤和樹:僕自身もそうだけど、人それぞれ、生きていればいろいろあるじゃないですか。そういうときに聴いてもらえたら、前向きな気持ちになれるんじゃないかな。
Q:さてユニット名がJOKER=切り札ということで、お二人がこの先、何を企んでいらっしゃるかが気になるところです。
伊達幸志:ポップスの土俵に上がって、そこでいかに既存の世界をぶっ壊していけるか。それを二人でやっていきたいなって。
加藤和樹:この二人だからこそ生み出せる音楽でね。より新しいものとして認知される存在になっていきたいです。
【取材・文/本間夕子】
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