PES
RIP SLYMEのPESが、ファーストソロアルバム『素敵なこと』をリリース。ドラマ主題歌『女神のKISS』や『シーサイドラバーズ/真夜中のレインボー』などシングル曲のほか、ロックステディ、スパニッシュ、弾き語り、カントリー、バラードなど多彩なジャンルの曲調を収録。温かくて楽しくて人なつっこい、PESの人柄そのままのようなアルバムに仕上がった。
Q:ソロの活動は、いつくらいから考えていたのですか?
PES:6〜7年前から漠然と、いつかはやりたいと思っていました。
Q:やるならどんな作品にしたいと?
PES:とりあえずできる楽器があまりなくて、ギターをちょっと触れる程度なので、ギターをメインにした作品にしないとできないだろうな、と。あとは作りながら、何となるんじゃないか?って(笑)。
Q:どういう流れで作っていったのですか?
PES:まず最初にドラマ主題歌の話を頂いて、せっかく作るなら主題歌だけじゃなくアルバムを見越してやりたいと思って。ドラマの話を頂いてすぐ試しに何曲か作ったんですけど、最初にできたのが『Change』などのロック調で、それが11月くらい。で、年が明けてから『女神のKISS』『素敵なこと』『真夜中のレインボー』などができて。『シーサイドラバーズ』は、2月くらいだったかな。
Q:RIP SLYMEと言えばヒップホップで、打ち込みサウンドでラップというイメージ。この作品は、生楽器がメインのサウンドで歌もので、イメージとは違った作品になりましたね。
PES:RIP SLYMEに対してはヒップホップのイメージを持たれている方は多いと思うけど、「PESと言えばラップだろう!」みたいなイメージは、あまり持たれてないと思っていて。だから、自然とヒップホップという考えはありませんでした。ヒップホップは好きだけど、すでに身体に染みこんでいるものだから、ここで強くアピールするものでもないし。だからと言って、ラップをやらないと決めて作ったわけでもなくて。
Q:JUN SKY WALKER(S)の寺岡呼人さんや、SOUL FLOWER UNIONの奥野真哉さんが、多くの楽曲にプロデュースやアレンジなどで参加していますが、最初に声をかけたのが呼人さんだったそうですね。
PES:子供の頃からジュンスカの大ファンで、ライブも観に行ったりしていて。何年か前にフェスでご一緒させていただいてから、飲みに連れて行ってもらったりしていて。呼人さんの作品を聴かせていただくたびに、音やコード進行がきれいでアレンジに無駄がなくすごいなと思っていたので、自分の作品もそういう音にしてもらえないかな〜と思って。
Q:弾ける楽器がギターくらいとのことでしたが、曲作りはギターでですか?
PES:はい。弾きながら歌える感じがいいなと思ったので。と言っても、そんなに上手く弾けるわけじゃないけど。レコーディングでは、エレキとアコギ、子供用みたいなショートスケールのギターにナイロン弦を張ったものを弾いています。
Q:制作でいちばん大事にしたことは何でしたか?
PES:ここはコードが違うなと自分では思っても、スタッフとかみんながいいって言うなら、いいかなって。歌にしても、自分は音程がちょっとずれたと思っていても、みんながいいって言うならいいかって(笑)。どうしても気になったところだけ、もう一度歌わせてもらったりしたけど。だから大事にしたのは、そういうノリかな。あとは、飽きない作品を目指したのもあったし、プレーヤーの顔が見えたり人肌の温もりとか肌触りのあるものも目指しました。そうすると、やっぱりみんなの意見も大事になってくるんです。
Q:確かにすごく温もりのある音だと思いました。
PES:作業を通して分かったのは、時間と手間をかけないとそういう音は作れないということですね。そうすれば悔いのないものになるし、気持ちも入るし。奥野さんなんか、最初にお願いしたとき三日徹夜でアレンジを考えて来てくれて。それはほんと、ありがたいな〜と思いました。
Q:RIP SLYMEのときとは、やり方は違うんでしょうね。
PES:RIP SLYMEでは、DJ FUMIYAくんがたいてい曲を作ってくれるのですが、彼は日々試行錯誤して曲作りしていて、僕らは歌詞の面ででき上がった曲に乗っかるだけという感じなんです。だから今回ソロでやってみて、FUMIYAくんの苦労が少し分かりました(笑)。
Q:アルバムを聴いて、すごく映像的な雰囲気も感じました。
PES:映画が好きなので、その影響があるかも。『OK!MEXICO』という曲は特にそうで、『イージーライダー』とかロードムービーのようなイメージで作りました。
Q:その『OK!MEXICO』には、俳優の松田龍平さんがボーカルで参加していますね。
PES:一緒に飯を食ってるとき、アルバムを作ってるって話になって。「歌う?」って聞いたら「やろうかな」って。それで「じゃ絶対に歌えよ!」って(笑)。忙しい中で時間を作って、歌いに来てくれました。
Q:温かくて楽しくてかっこよくて、身近にある素敵なことを見つけたくなるアルバムになりましたね。
PES:ディレクターが、制作途中に「多幸感があるね、このアルバム」って言ってくれて。それ良いな!って思ったんです。ほわ〜っとした幸せを感じてもらえたらいいかなって。制作の前半は、去年が大変な年だったというのも頭をよぎって、少しシリアスになりがちだったけど。ことしに入って『素敵なこと』や『女神のKISS』を作ってからは、軽やかで前向きなアルバムに向かって行ったので良かったです。
Q:シリアスなのは似合わないですからね。
PES:僕には、そういうの向いてないですから(笑)。結果、自分の等身大を映した作品になりました。
Q:他のメンバーからはどんな感想が?
PES:シングルを聴いてもらったときは、FUMIYAくんからは「ここにもっとこういう音を入れたほうがいい」とか、分析されました。SUさんは、『シーサイドラバーズ』のPVで僕がサーフィンしてるのを観て「俺もやりたい」って(笑)。ILMARIくんとRYO-Zくんは…「いいんじゃない!」って(笑)。
Q:そして11月には、ソロのライブも決まっていますが。
PES:友達の結婚パーティーで、ひとりでギターの弾き語りをやったことがあって、そのときは信じられないくらい緊張したんです。なので、何か考えておかないとヤバイと思ってます。でもまあ、バッとやってサッと帰りますよ(笑)。
≪PES TOUR“素敵なライブ”≫
11月14日(水)愛知・名古屋ELL11月15日(木)大阪・梅田CLUB QUATTRO
11月17日(土)東京・赤坂BLITZ
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