FLOW
“FLOW THE MAX!!!”を旗印にいよいよデビュー10周年の記念イヤーに突入した彼ら。その第一弾シングルとしてリリースされた「ブレイブルー」について、また10年目を迎え、改めて“FLOW”というバンドに思うこと、さらには5人が見据えるこの先の未来……ますます勢いに乗って突き進む、今だからこそのリアルな心情に迫ってみたい。
Q:では早速……。
TAKE:よろしくお願いします! FLOW THE MAX!!!(←キメポーズ付き)
KOHSHI:いきなりブチかましてくれたよ(笑)。
TAKE:すみません、ついつい出ちゃうもんで。
Q:ははははは。さてニューシングル「ブレイブルー」ですが、アニメ『エウレカセブンAO』の主題歌でもありつつ、やはりバンドとして込められている想いも大きいのではないかと。
KOHSHI:歌詞は基本的に『エウレカセブンAO』に寄り添って書いているんですよ。今回の『エウレカ』はアオという少年が主人公で、物語の世界観から、色の“青”と、青二才な、まだ青さの残る“青”が俺の中でテーマとして浮かんできて。舞台が沖縄ということもあって、イメージ的には母なる海と父なる空、そのふたつが交わるところとしての水平線、そこに生まれた子供が陸に上がって地平線の向こうを目指して頑張っていくっていう。そういう“勇敢さ(ブレイブ)”と“青(ブルー)”で「ブレイブルー」っていうタイトルにしたんです。
Q:そこにご自身たちの姿が重なったりは?
GOT'S:まだまだ青いなっていう気持ちはあります、やっぱり。そういう謙虚な気持ちは常に持っていなきゃいけないなとも思いますし、じゃないと成長できないし。日々、上を見上げて青さを確認するっていう。空の青さと一緒です。
TAKE:お〜、今日は冴えてるねぇ!(一同爆笑)
Q:“勇敢さ”に関してはどうです?
GOT'S:ライヴでこういうことをやろうっていうのは勇敢だなって(笑)。“突入 THE MAX!!!〜全曲網羅 炎の5DAYS〜”なんて闘いでしたからね。
TAKE:5日間で60何曲かな? これまでに出したアルバム5枚を毎日1枚ずつ演奏するっていう。
Q:すごいですよね。リハーサルとかどうするんだろうって思いましたもん。
TAKE:いや〜、なかなかのもんでしたよ(笑)。
KEIGO:でもホント5DAYSは自分たちにとっても自身を振り返るいい機会で。ただ聴くだけじゃなくライヴとして昔の楽曲に直に触れられて、それを今のお客さんと対峙して呈示するっていうのは当時の自分を思い返すことでもあったし、ただ振り返るだけじゃなくて、これから先へっていう気持ちを持てた5日間だったんですよ。
Q:実際、昔の楽曲を演奏して改めて気づいたことは。
KEIGO:やっぱりアルバムごとに全然、色が違うんですよ。1枚目の『GAME』はすごく勢いがあるなとか、ホント、ライヴをやっててもまるで違って。例えば「DAYS」のタイミングで挑戦したなとか、自分たちの移り変わりもわかるし、そういうものもこれから先に絶対繋がってると思うし。青って未熟さを表わすものでもあるけど、ピュアな意味での青もあると思うので、そういう気持ちを持って10年目に突入できたのはすごくいいことだなって。やってよかったです。
TAKE:ピュアな35歳……。
KEIGO:気持ち悪いか(笑)。
Q:いやいや、素敵だと思います。
TAKE:でも挑戦していく青さがなくなってしまうと成長もそこで止まっちゃうからね。そういう青さはデビュー当初からずっと変わらず持ち続けていないとダメだと思ってましたから。
Q:今も挑戦してる実感はありますか。
TAKE:逆に今のほうがありますね。むしろどんどんやっていきたい。デビュー当時はある種、自分たちだけの青さというか、ある意味、失うもののないガムシャラな青さだったけど、今はホント、10年やらせていただいたことへの感謝も日に日に募っているし、支えてくれる人がいるからこそ前に進める。だからこそ自分たちからどんどん発信していかなきゃっていう気持ちも強くありますし。例えば最近の海外公演も然り、新しい場所へどんどん足を踏み入れていく勇敢さっていう意味でも、今はすごく挑戦してますね。
Q:この曲からも“これから”をすごく感じました。
IWASAKI:たぶん、ようやく自分たちが青いんだってことを認識できたと思うんですよ、僕は。それに気づけたことで、これから先、もっと前を向いて進化していこうと思える、ひとつの指標にもなったなって。そういうタイミングでこうした楽曲と巡り会えたのはすごく必然性を感じますね。
KOHSHI:10年走ってきたけど、地平線の向こうなんてまだ全然先だし、10年やってきたからといって、もちろんこれがMAXではないし。
Q:そう思えるからこそあえて10周年のテーマを“FLOW THE MAX!!!”と?
KOHSHI:この1年は“とにかく全部やる”っていう意味での“MAX”なんですけど、11年目は11年目の、12年目は12年目の“MAX”があるだろうし。
Q:“MAX”の容量がどんどん増えていく。
KOHSHI:そうそう。どんどん自分たちの懐の深さなり、持っているキャパシティが増えていけば、地平線の向こうの、さらにいい景色が見れるんじゃないかって。一方で、この10年、お世話になっている方やファンのみんな、もっと言えば自分の母親と父親とか、そういう大切な人たちに囲まれながら俺たちはやってこれてるっていう感謝もこの曲の中には詰まっていますしね。
Q:それにしても今回のシングルはFLOWの両極が楽しめる作品ですよね。「ブレイブルー」はメロディックでエモーショナル、すごくハンサムなFLOWで、かたやカップリングの「休日」は西海岸パンクロックといいますか、お祭り感に溢れたこれぞミクスチャーなFLOWという。
TAKE:“ミクスチャーロック”って実によくできた言葉で、要は何をやってもいいっていう。音楽って楽しむことが何より大事だし、楽しむためにはジャンルなんて関係ない。もともと聴いてきた音楽も個性もバラバラな5人が集まって、独特の化学反応をしてきたのが僕らなわけで、それぞれの個性を抽出して良さを表現できれば、より幅広く音楽自体を楽しめるはずだっていうのは信念として強くありますしね。昔は何がやりたいのかわからないとか言われたりもしたけど、10周年を迎えた今、むしろどこを切り取ってもFLOWなんだって自信を持って言える。FLOWの形としてようやくちょっとはそれが認められてきたかなって。
Q:これからますます楽しくなりそうな予感がします。
KOHSHI:そうですね。まずは“FLOW THE MAX!!!”で1年駆け抜けるのがすごく楽しみで。“突入”、“カヴァー“ を終えて、この後は“対バン THE MAX!!!”もあるし、年越し以降ももちろん目白押しで控えてますから。
TAKE:来年はアニバーサリーアルバムも形にしたいと思ってますし。それがどういう形になるかはお楽しみということで。
Q:すでに期待はMAX越えですよ。
TAKE:みんなを巻き込んで盛り上がっていきたいですね。いつまでも青臭くバカやっていこうじゃないかと……FLOW THE MAX!!!(←キメポーズ:一同爆笑)
【取材・文/本間夕子】