たむらぱん
ロッテ「Fit’s」のCM曲や、ハンバーグレストラン「びっくりドンキー」のCM曲などでも知られる、シンガーソングライターのたむらぱん。今年でメジャーデビュー5周年を迎えた彼女が、真琴つばさや小林幸子などが出演する昼ドラ『七人の敵がいる!〜ママたちのPTA奮闘記〜』の主題歌で話題の『new world』をシングルとしてリリース!
Q:今回の『newworld』は、すごく真っ直ぐで前向きな曲ですね。
たむらぱん:はい。今回はドラマ主題歌ということで、ドラマ制作サイドの方にお話をうかがって制作しました。ドラマには、新しい環境の中で頑張って行くというテーマがあったので、それをイメージしつつ…。今回はパッと聴いただけで、その前向きさが伝わるものを作ろうと思いました。でもアレンジ的には、ちょっと行ったり来たりする感じになっていて。と言うのは、物事があまりにスムースに進むのは違うだろうなと思って、それを音楽でも表現したいと。サビの後は「あああ〜」って落ちる感じになっていて、そこで少し巻き戻されるような雰囲気になっています。
Q:三歩進んで二歩下がる、『365歩のマーチ』みたいな。
たむらぱん:そういうことです!表面的にはすごく突き抜けた印象があるかもしれませんが…すごく走って進んでいるつもりでも、実はひもが付いていて引き戻されながら、それでも何とか前に進んでいくという。プラマイゼロではなく、プラス1くらいずつ前に進んでいるものにしたいと思いました。
Q:いろいろな楽器が使われていて、サウンドも面白いです。
たむらぱん:ゴージャスですね。音を聴いただけで夢が叶いそうな雰囲気も目指しいていて。ストリングスはヴァイオリンやチェロ、ヴィオラなどで、管楽器はトランペットやトロンボーン、チューバ、フルート。あと、いちばん雰囲気を作っているのはマンドリンで、これがアコースティックギターではないのがポイントだと思います。イメージとしては、ビッグサンダーマウンテンです!…って、ちょっと分かってもらいづらいかもしれないけれど(笑)。
Q:楽曲を作られたときに、頭の中でそういう音が鳴っていたわけですか?
たむらぱん:そうです。楽器構成もそうだし、展開によってフレーズも違っているので、聴くたびにいろいろ発見してもらえたらうれしいです。
Q:タイトルの『new world』には、どういう気持ちを込めましたか?
たむらぱん:『newworld』と言うと誰にでも分かってもらいやすいと思いますが…でも、それがどこなのかは聴く人それぞれだし、それが良い世界なのか悪い世界なのかも分からないですよね。つまり一見シンプルだけれど、一歩踏み込むと複雑な意味を持つという。シンプルだからこそ、楽しさも怖さもはらんでいるタイトルです。
Q:たむらぱんさんは、物怖じせずに新しい世界に飛び込めるタイプですか?
たむらぱん:どちらかと言うと慎重派です。それは計画を練って綿密にと言う意味ではなくて、ただ怖いから手を付けないだけなのですが(苦笑)。学校に行っている方だと学年が変わればクラス替えがあるし、就職すれば環境や生活がまったく変わる。そういうことがあれば、世界が広がったと分かりやすいですが、大人になってそういうこともなくなると、なかなか世界を広げるチャンスはなくて。だからこそ、自分からそういうものを見つけて行こうというスタンスでいたいと思います。たとえば前のアルバム『mitaina』で、様々なアーティストとのコラボにチャレンジしたのですが、誰かと一緒に音楽を作るのは初めてだったので、そういう意味では私にとっては新しい世界が広がった出来事だったと思います。
Q:2曲目の『ヘニョリータ』は、まずタイトルが面白いです。
たむらぱん:ヘタレっぽい感じのセニョリータから考えた造語です(笑)。恋愛に夢中なんだけれど不器用な女の子が主人公。歌詞は『new world』とつながっていて…恋に一喜一憂することは、その恋が上手く行くかどうかは別にして、今の自分にとってすごく大事だということを歌っていて。
Q:ちょっとゆるくて軽快なサウンドが心地良い曲。ちなみに、たむらぱんさんは『ヘニョリータ』ですか(笑)?
たむらぱん:どちらかと言うと、そういう部類かも。恋をすれば一喜一憂するほうです。すぐ落ち込むし、すぐ調子に乗るし。その分、疲れちゃいますけどね(笑)。
Q:3曲目『とうまわりゃんせ』は一転して、しっとりとしたナンバー。曲調と歌い方が、他の2曲とはまったく違いますね。
たむらぱん:曲が変われば、自然と歌い方や声も変わって行きますね。これも1曲2曲目と同様に、今を見つめるということがテーマ。遠回りして来たことには意味があって、それによって現在があると歌っています。何だかんだ言って、もちろん未来を夢見ることも大事だけれど、現在を見つめることも大事。今回の3曲を聴いて、今を見つめてもらえたら良いなって思います。
Q:今年でメジャーデビュー5周年とのことですが、これまでの活動は『とうまわりゃんせ』でしたか?
たむらぱん:私はけっこうそうだと思います。メジャーデビューするまでわりと長くかかりましたし、私自身長い間をかけてちょっとずつ進んで来たという実感があるので、これまで歩んで来た道を否定したくないという想いが強いです。だからこういう3曲が生まれたのだと思います。
Q:最近では楽曲提供も行っていますね。新しいところでは、ももいろクローバーZの妹分の私立恵比寿中学のデビューシングル『仮契約のシンデレラ』の、サブカル盤に収録されている『結果オーライ』がそうですね。
たむらぱん:アイドルへの楽曲提供は、ずっとやりたいと思っていたことなので、それが実現してすごくうれしいです。これこそ、新しい世界が広がった、私にとっての『new world』と言えるかもしれません!
Q:エビ中のコンサートを観に行って研究したりしたのですか?
たむらぱん:もちろんエビ中さんは観に行きました。エネルギーがすごくて、そのエネルギー感を曲にも活かしたいと思ったし。あと、勢いとかテンションも大事だけれど、ふと考え込んでしまうような瞬間も描けたら良いなと思いましたね。ご興味のある方は、ぜひ『結果オーライ』も聴いてみてください。
Q:エビ中ファンの男の子が、たむらぱんさんのコンサートに来るかも!
たむらぱん:来てくれたらうれしいです。あと提供した『結果オーライ』も、セルフカバー出来たら面白そうだなって思っています。