“自己中心的である”対“私心のないこと”というテーマが気に入りました
Q:最新作『オズ はじまりの戦い』は、壮大なスケールのファンタジー超大作ですね! 『スパイダーマン』シリーズの後に、ここまで大規模な作品を撮ることに不安はありましたか?
そうですね。当然、不安はありました。『オズ はじまりの戦い』のようなタイプの映画で、これくらいの大規模作品を監督するということになれば、プレッシャーもかかるものです。
Q:そもそも「オズの魔法使い」の“前日譚”を撮ろうと決意した一番の理由は何でしょう?
まず脚本が本当に素晴らしかったのです。ミッチェル・カプナーが書いたキャラクターたちを心底気に入ってしまいまして、実はカプナーの脚本と出会う前はライマン・フランク・ボームが書いた原作をほぼ知らなかったのです。しかし、カプナーの脚本の中のキャラクターたちが、まるで本物の命ある存在のように思えました。そして、“自己中心的である”対“私心のないこと”という物語の核と言えるようなメッセージがとても気に入りました。
Q:とりわけ主人公オズの設定に注目ですね。いわゆるダメ人間としてスタートしますよね。
主人公のオズは物語の最初、人生の目標がとても小さく、才能もわずかです。すごくわがままな人間でございますが、ストーリーの進行に従って彼の視野も広がっていくのです。彼がどういう人間に変わっていって、いかにわがままでない人間になっていくか、いろいろな自分の変化に気付いていくのです。その点が自分にはすごく魅力的に映っていて、とても感動してしまったポイントでもあります。だからこの映画を作ろうと決意をしました。
ファン必読!! ブルース・キャンベル情報!! その出演理由には驚愕のウラ事情が!!
Q:ちょっと余談ですが、盟友であるブルース・キャンベル氏は、今回どこに出ていますか?
彼はエメラルド・シティの城の警備員役です(笑)。ウィンキー族の門番でで、かなりの量の特殊メイクをこってりと塗っているので、今回は分かりにくいかもしれないですね(笑)。
Q:今回は出ていないと思っていました(笑)。ファンのために、もうちょい教えてください。
ちょうど馬車に乗ったナック(トニー・コックス)というキャラクターが入城するシーンで、警棒のようなもので“ゲートを通せ!”と頭をブン殴られる人がいます。その彼がブルース本人です。でも、そうとうな量のメイクなので、分からない人も多いと思いますよ。
Q:『スパイダーマン』シリーズではメイクは薄目で、セリフがあって、主人公ピーター・パーカーとカラミましたが、今作ではどのような経緯で門番という設定になりましたか?
彼のスケジュールの都合上、1日だけしか撮影を許してくれなかったのです(笑)。それで、彼がスタジオに来る日にたまたま撮っていたシーンが、そこだったのでウィンキー族のキャラクターを演じる以外に選択肢がなかったのです。ただ、ウィンキー族は基本的には似たような、ほぼ同等の顔をしているので、あのようなルックスになってしまいましたが(笑)。
長年ジェームズ・フランコと一緒に仕事をしましたが、主役では初めてになります
Q:ところで、オズ役のジェームズ・フランコが秀逸ですね。とてもオズ役がハマッていて。
個人的に、最終的にジェームズ・フランコが演じることになりまして、これ以上うれしいことはなかったですね。僕たちは、これまでの彼は小さい役柄ではありましたが、一緒に仕事をしてきたという歴史があります。でも、彼が主役となって一緒に仕事したことは一度もなかったのです。彼は、実際に、とても素晴らしい主役を務めてくれました。ユーモアがあって、カリスマ性もあります。それに、彼自身は本当に温かい心の持ち主なのです。
Q:それにフランコは映画監督でもあるので、コミュニケーションもバッチリOKなのでは?
最高のコミュニケーションでした。彼自身映画監督なので、俳優としてどのように演じるキャラクターにアプローチすればいいかということを理解できるだけでなく、ペースや物語全体、映画全体を考え、その都度、正しいジャッジを出すのです。それは彼がとても優れた映画監督でもあるからですよね。だから彼とは本当に最高のコラボレーションでした。
Q:お別れのお時間となりました。早くも続編待望論が出ているようですが、いかがですか!
終わった直後で、まだ何も考えていないです(笑)。続編があるように応援をお願いします。
■取材・構成・撮影/鴇田 崇(OFFICE NIAGARA)
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