無数にあるディズニー/ピクサーの大傑作群の中で、最も愛されている作品のひとつ、『モンスターズ・インク』待望の“続編”、『モンスターズ・ユニバーシティ』が、いよいよ7月6日(土)に全国公開だ! “続編”といっても史上初の“前日譚”を描く今作では、憧れのモンスターズ・インクで働くために、“怖がらせ屋”になる大志を抱くサリーとマイクの大学生時代の物語だが、日本語吹替版の声優は、ご存じ! 石塚英彦&田中裕二が続投! 11年前、続編はないと思っていたという想いや、相性バツグンのサリーとマイクの名コンビは、25年前に始まっていたという驚愕エピソード!? そして最新作が投げかける感動のテーマなど、さまざまな話題について日本のサリーとマイクが語り合ってくれた!
■『モンスターズ・インク』みたいな、すごくいい作品に続編はないと思っていた――
Q:ファン待望の続編(前日譚)ですね! 11年ぶりに再登板が決まった時の率直な感想は?
田中:『モンスターズ・インク』の当時は続編があるとはまったく思ってなかったので、それを聞いて本当にびっくりしました。その上、僕たちは11年ぶりですが、映画の中の設定としてはもっと若い。20年以上の差になってしまうので、声を変えるのかなとか、いろいろ考えましたけれど、結局は無理だなってことになって、そのままの声で演じましたね(笑)。
石塚:僕の場合は、続編を期待して最初の5年くらいは待っていましたが、それ以上はないだろうと田中君と同じようにあきらめていました。それがまさか11年目にして、しかもあるらしいよっていう情報を、まず田中君から聞いて。事務所でもディズニーでもピクサーでもなく(笑)。その後、正式なオファーがなかなかなかったので、違う人が演じるのかなって不安にもなって。渋谷のハチ公前で恋人を待ち続けているような感覚にもなりました(笑)。しかも前日譚。『スター・ウォーズ』か、ってツッコミを入れたくなりました(笑)。
Q:内容が、サリーとマイクが初めて出会った大学時代の物語と聞いた時は、いかがでした?
石塚:続編があるとすれば、『モンスターズ・インク』の、その後に続く話だと思っていたので、まさかサリーとマイクが会社に入る前の大学時代に戻るとは思わなかったですね。サリーとマイクには、どういう過去があって、どういう人格だったとか興味が湧きました。
田中:『モンスターズ・インク』みたいな、すごくいい作品には続編はないと思っていました。あのマイクとサリーの過去に戻るということは、個人的にはすごく納得できましたね。
石塚:なかなか物語の前に戻るストーリーはないですね。まさかサリーとマイクが大学を出ているとも思っていなかった。怖いモンスターを育成する場所があったことも驚きです。
Q:実は生意気だったサリーはもちろん、マイクの声も変わっているような印象でしたが!?
田中:僕はね、まったくその意識はないです(笑)。たとえば演出上、こういう声の意識でとか、もう少しテンション高めでとか、そういうことはありましたが、それに従って演じていたただけなので、上手いとすれば演出法ですね。僕の声が若返ったわけじゃなく、声色で若い声を出すというプロの方々の技術もないので……。それより、わざとらしい演技とか、下手くそとか、また太田に言われまいかと、そのことばっかり心配していました(笑)。ただ、マイクは『モンスターズ・インク』の時は威張っていましたが、今回は大学の優等生で自分に自信がない性格など、前作と違った一面があるので、そこは意識していました。
石塚:『モンスターズ・インク』のサリーは、どっしりとした感じでしたが、今回は大学生なので、若いフレッシュなサリーを意識しました。若いので、ちょっと嫌味がありますよね。だから『モンスターズ・インク』の時は、普段の僕のしゃべり声より低めを意識していましたが、今回は素の石塚に近いレベルで演じてみたつもりです、ただ、あまり声が高すぎてしまうと、サリーのような大きな体には合わないので、そこまでは声が高くはならないように、かといって意識して低くしようとも思わなかったですね。その間くらいです。
■実は25年前から相性バツグン!? サリーとマイクのコンビは始まっていた!?
Q:さて、それぞれのキャラクターとご自身を比べ、似ていると思うポイントはありますか?
石塚:似ている点ではないですが、サリーには決断力、行動力があります。でも自分にはないので、そういうサリーみたいな男になりたいと思います。サリーは永遠の憧れですね。
田中:マイクはツッコミ役ですが、実際は天然ボケなので、そこは似ていますかね(笑)。反対に努力型、負けん気の強さも持っているので、そこは僕と違うかもしれないですね(笑)。
Q:ただ、サリーとマイクの相性はバッチリで、その点、おふたりもバッチリだそうですね?
石塚:今人前なので手を放していますけれど、普段はつないでいます(笑)。
田中:それは相性とかじゃないよね。もう愛し合っている状態だよね(笑)。
石塚:もともと随分前から面識がありますので。
田中:25年前、デビューが一緒のバラエティー番組でした。その後、それぞれホンジャマカ、爆笑問題として、ちょくちょく一緒になることがあって。お互いの番組に出ることもありましたね。ずっと途切れずに、お会いする機会が多かった。相性で言うと、自分の相方以外でコンビを組むということであれば、おそらく最初に石塚さんの名前を挙げますね。
石塚:一度、コンビの枠を超えてコントをする企画があった時に、僕と田中君で「部長と米谷君」というタイトルのコントを何本かやりましたが、やっていてすごく楽しくて、相性がいい人とコントをやると、すごく流れもスムーズだと思いました。お互いの呼吸が分かりますよね。雑な言い方だけれど、田中君はいい意味でやりやすい、心地いい相手です。だからおそらく、その当時にサリーとマイクのコンビは始まっていたかもしれないですね。
田中:見た目が似ていますからね(笑)。凸凹コンビはまさにサリーとマイクそのままです。
■マイクのセリフ“夢をあきらめない”そのセリフがテーマの素晴らしい作品!!
Q:ところで、今回は前作のライバルだったランドールがいい奴だった(?)過去が明かされるなど、ファンには見逃せない情報が満載ですよね。気になるポイントは、ありました?
田中:明確に、どのシーンでどうのじゃないけれど、ところどころ、コイツ観たことあるなというキャラキターがいます。僕らも気づいていないモノがたくさんあると思いました。
石塚:モンスターズ・インクの社内報みたいな新聞として、有能な新人が誕生したという記事が登場しますが、その写真に明らかに○○が映っています(笑)。若い時の○○ですよ。
田中:それと、人間社会で夜の湖での追跡シーンは、『E.T.』のワンシーンにそっくりだと思いました(笑)。すごくスリリングで、似ているよなあ。あれは、どうしてなのだろうか?
Q:また仮に続編の第3弾が続いていくとして、どういうストーリーを期待しちゃいますか?
石塚:僕は、結婚したサリーの子供とか観たいかなあ。マイクには前作にギョロ目の彼女がいたけれど、あの子と上手くいっているような気がします(笑)。そして結婚して生まれた子供がどうなっているのかとか、どこまで今の遺伝子が残っていくか観てみたいですね。
田中:次はおそらく宇宙だろうね(笑)。もはや人間じゃなくて、宇宙モンスターと戦っているようなストーリーが濃厚! それこそ『スター・ウォーズ』みたいな話かもしれない。
石塚:あれダメかな? 水木先生の妖怪たちと戦うみたいな?
田中:鬼太郎のオヤジとマイクってね(笑)。似ているものね。
石塚:あ! つながっていたんだよ。水木先生に、先に話してあったんだよね。開けると、日本のクローゼットとつながっていて――まあ、いいか、そんなない話をしなくてもね(笑)。
Q:最後になりますが、『モンスターズ・ユニバーシティ』の鑑賞ポイントを教えてください!
田中:あの『モンスターズ・インク』の過去に、こういうストーリーがあったなんて! と皆さん驚くと思います。前作もおさらいしながら、映画館で最新作を楽しんでくださいね。
石塚:マイクのセリフに「夢をあきらめない」という言葉が出てきますが、そのセリフ一言をテーマにしているような素晴らしい作品です。今の子供たちに希望を与える映画です。
■取材・構成・撮影/鴇田 崇(OFFICE NIAGARA)
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