INTERVIEW

全世界待望、『モンスターズ・インク』待望の“続編”、『モンスターズ・ユニバーシティ』が、いよいよ7月6日(土)に全国公開だ! 同社のエリート社員、マイクとサリーの大学時代に戻った本作では、あの名コンビ誕生の意外で泣ける感動エピソードが存在したっていうハナシが展開するわけだが、史上初“前日譚”を描くことになった本作について、メガホンを握ったダン・スキャンロン監督が惜しげもなくピクサーの社内情報まで激白! イキナリ、映画のクライマックスの話題までしちゃったけれど、ネタバレはしてないので!

 

■人生は時に壁にぶつかって失敗をするけれど、それ以外の道もあるはず――

Q:最後のオチが現実的ですよね! キッズたちが楽しみにしている映画なので、あいまいにしたまま終わっていいトコロですが、リアルな感情のダイナミズムに体が激震でした!

 

そこを気に入ってくれて、すごくうれしいよ! 僕にとって、この映画のすごく重要な要素で、人生は時に壁にぶつかって失敗をする、挫折があるものだけれど、それ以外の道もあるはずだって思い出してほしかった。実は、映画を作った理由の一個でもあるわけだよ。

 

Q:ユニバーシティ以外、たとえば就職直前の物語などキャンパス以外の案は出ましたか?

 

特には考えなかったよ(笑)。そもそも大学時代にした理由は、ちょうど18~19歳の年代は自分が大人になっていく時期で、自分がどういう人間か自覚し始める時期でもあるよね。そういう大きな変化を遂げる時期を、もともと物語の舞台にしたかった、というわけだよ。

 

Q:ちょっと細かい話です。マイクがモンスターズ・インクのエリート社員に帽子をもらいますが、インディ・ジョーンズとか、帽子で継承するシーンって、皆入れたがりますよね?

 

面白いね(笑)。それは意図的ではないけれどね。今回の帽子はマイクの夢を物理的に表現するためのアイテムなわけで、視覚的、物理的な要素として伝えていくアイデアだったよ。

 

■大学時代、まさしくマイクみたいなタイプだった――ピクサーの仲間は皆そうだよ(笑)

 

Q:ところで、監督個人としては、マイクとサリーどっちに感情移入して作っていましたか?

 

マイクだよね(笑)。僕の大学時代、まさしくマイクみたいなタイプだった。勉強に集中していて、人気者とは決してお世辞にも言えないような(笑)。あの頃はドライブ(やる気)があったけれど、今はなくなっちゃったかな(笑)! だから、マイクを主人公にした前日譚は今回すごくうれしかったことで、ピクサーの多くのアーティストも同じだと思うよ。

 

Q:鬼学長みたいな人はいました? マイクに対して残酷なこと言いますが、意外に重要で。

 

似たような人がいたかどうかは定かじゃないけれど、僕も同感するポイントだよ。彼女は、決して悪役じゃないわけだ。仮に欠点があるとすれば自分のサクセスに溺れている点だけれど、それ以外は問題ない。人は勉強の仕方が個々に違うことを先生なのに忘れてしまっていることも、かな? ただ、マイクとサリーに言う言葉はごもっともな指摘で、それが乱暴に感じるかもしれないが、真実でもある。そういう人って僕たちにも必要なわけだよ。

 

Q:厳しいですが、的を得ていますよね! 鬼学長タイプは、ピクサーの社内にもいますか?

 

(笑)。ピクサーにはね、ブレストをする仲間たちがいるけれど、制作中のビデオ絵コンテをお互いに見せ合って感想を聞くなど、アイデアを出していろいろと言い合う時など、凄まじく暴力的な感想が飛び交うことはある(笑)。でも、耳に厳しくても現実的で正しいことを言う人って必要だと思う。まあ、学長ほどキツク言う必要は、ないと思うけどね(笑)!

 

■未来の巨匠たちにアドバイスの真っ最中!! 効果はともかく、素敵なこと!!

Q:アニメーターになろうと思ったきっかけですが、マイクのような出来事はありました?

 

6歳の頃かな。絵を描くこととストーリーテリングにとにかく夢中で、だから意識はしていなかったけれど、絵でストーリーを語る仕事は夢だったと思うね。ちょうどアニメーションを観始めた時期でもあって、8歳か9歳の頃には8ミリカメラでストップモーションのアニメーションや実写も撮っていたかな。映画に対する愛情も、育まれていた時期だったよ。

 

Q:将来活躍する巨匠に、そういう方が少なくないですよね! その8ミリの作品の内容は?

 

いや、内容は覚えてないよ(笑)。とにかく僕にとっては練習で、どうやってアニメーションを作るかということで試行錯誤だったな。どうやって歩くか、どうやってボールが弾けるか、そのアニメーションでの表現を模索しながら、ストーリーテリングも勉強していたと思う。でも、子供なので、テーマを伝えようとしていたわけじゃないけれどね(笑)。ただ、そこでの経験は大きかったので、将来アニメーションの仕事がしたいキッズたちには練習をたくさんするように言っているよ(笑)。特に、大きなプロジェクトを成し遂げようとするのではなく、小さなプロジェクトを無数にこなしてくことが重要だと言っているよ。

 

Q:“未来の巨匠たち”と直で触れ合う機会があるわけですね! とても大切なことですね!

 

この映画が完成したことで、いろいろな場所で、まさしく将来アニメーションの仕事をしたいという優秀な学生たちと触れ合う機会を得ているよ。僕がアドバイスをしていることが学生たちの役に立っているかどうかはわからないけれど、素敵なことだと思っているよ。

 

Q:いやあ、素敵です! 余談ですが、ピクサーへの入社の倍率は、思った以上に高いのでは?

 

知らないよ(笑)。応募総数がどの程度あるかも知らない。ただ、厳しいことは間違いね(笑)。

 

■取材・構成・撮影/鴇田 崇(OFFICE NIAGARA)

 

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