INTERVIEW

大傑作の予感! 『モンスターズ・ユニバーシティ』全力インタビューの女性編は、ピクサーで辣腕を発揮中のプロデューサー、コーリー・レイ氏! シリーズの“前日譚”を描く今作には、ストーリーやキャラクター創造の背景に惜しみない努力があったそう。でも、一致団結してコトに当たるピクサー社員はマイクとサリーのように仲が良く、4年半という長丁場のプロジェクトを乗り切る秘訣でもあるとか! 学生時代、バスケットボールの選手だったというレイ女史に、いろいろ関係ないハナシまで直撃! そして来日ゲスト恒例、特集ページへのリクエストもうかがうだけうかがったので、よろしくお願いいたします!

 

■『モンスターズ・エレメンタリー』(笑)? 残念だけれど、ノープランよ!!

Q:前日譚が話題です! そのメリットとプロデューサー的に面倒だったことは何ですか?

 

面倒などないわよ(笑)。でも、ストーリーを予測不可能なレベルにすることは、大変なことだった。ある意味、結末が分かっているわけなので、そこを動かせないことを考えた時、ポジティブな方向で作っていく必要があるじゃない? ただ、分かっているわけだから、そのことはいいことだと思うの。結末を知っているけれど、“そうなってほしい”という気にしないといけないわ。その独特の緊張感は、結末が分かっていればこそ手に入るモノよ。

 

Q:今後、冒頭に登場したマイクの少年時代にフィーチャーしていく可能性はありますか?

 

『モンスターズ・エレメンタリー』(笑)? 残念だけれど、ノープランね。今回、その時代を描いた理由は、彼の夢を説明したかったために小学校時代が登場したわけね。大切なことは彼の夢は何で、それに対して戦ったかということ。でも、本当にかわいいわよね(笑)。

 

■変キャラ、アートの誕生は、実は監督のヒラメキ!! モンスター制作秘話!!

 

Q:キャンパスに無数のモンスターが登場します。身近な人間がモデルになっていますか?

 

そうよ。物語は最初に決まっていて、キャラクターの性格や設定もほぼ最初に決まっていたのよ。それを視覚的にどうするかは、ほぼアニメーターたちの自由。だから、身近に似ている人がいると思った人は、そのイメージのまま描いた、ということになるわけよね(笑)。

 

Q:紫のアートという変人のキャラクターが強烈ですね。あれは、その、何なのですか(笑)?

 

キャラクター・デザイナーのアイデアだけれど、実は面白い話があるの(笑)。知りたい(笑)? 実はダン・スキャンロン監督が、最後の最後まで手を出さなかったのよね。アートがグループの一員として登場することは決まっていたけれど、担当のアニメーターが催促しても何も言わないっていうの! それでアルファベットのAを持ち出した途端、スキャンロン監督が「いいね!」ってことで、A型のアートが誕生したのよ(笑)! それ以外のキャラクターは計画性があって生まれたけれど、アートだけは特別なカンジなのよ!

 

Q:性格面の設定は、どう決めましたか? アートは際だって、ほかのキャラクターと違う(笑)

 

大学でもどこでも、コイツは何者だ? みたいな奴が必ずいるモノで、制作中にアニメーターたちと話し合っている時に、誰かが何気に「刑務所には二度と戻るものか!」とか言っていた人がいたようなの(笑)。これはいい! と思って、どこから来たか何も分からないようなキャラクターにしたわけね。アートって、そういうキャラクターになっているわ。

 

■実はピクサーでは社内結婚が多い!! で、マイクとサリーのようなコンビもたくさん!!

Q:ところで、マイクとサリーのようなコンビ、仲がいい者同士は、ピクサーにもいますか?

 

たくさんいるわ(笑)! 実はピクサーでは社内結婚がすごく多くて、辞めないで長く勤めている人が多いのよ。それと、一個のプロジェクトが始まれば4年半ほど、ベッタリとついているので、そういう意味で4年半親しくなるので、カップルが生まれるってわけね。

 

Q:4年半の共闘は短くないですね。その期間、何をモチベーションにして働いているので?

 

大事なことは毎日何か1点、新しいモノを加えていくことよ。ダン(監督)と話をして、今日はどういうことをしようかってね。たとえば、それが音であれ、エフェクトであれ、ちょっとした背景や、または物語にしても、それを毎日変えていくことで、モチベーションを維持していく。でも、制作期間中には問題が絶え間なく毎日起きていて、変えなくちゃいけないことが山ほどに出てくるのよ(笑)。日々、変わらざるを得ない状況なのよね(笑)。

 

Q:最後です。もしかして特集ページを作るかもですが、どういうページがいいでしょうか!

 

それこそアート特集とかいいじゃない(笑)。彼が話している吹き出しがあってもいいわ!

 

■取材・構成・撮影/鴇田 崇(OFFICE NIAGARA)

 

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