INTERVIEW

ジェラルド・バトラー

北朝鮮がアメリカ合衆国を襲い、ホワイトハウスが陥落してしまうという、まったく笑えない設定の衝撃作『エンド・オブ・ホワイトハウス』! 孤軍奮闘で極悪テロリスト軍団と死闘を展開するSPの主人公、マイク・バニングを演じたジェラルド・バトラーが来日したので、インタビューへ! ヒロイックな役柄が続くこと&似合うこと、主人公のモデルのような人に実際にあったこと、プロデュース業も兼務している理由、そして、来日ゲスト好例、特集ページのリクエストも聞いちゃった! 神男バトラー、少々困っていたかも!

 

■ヒーローの影響を受けて人生を本気で変えようと思う 素敵なことじゃねえか!!

Q:それにしてもヒロイックなキャラクターが似合いますな! そういう自覚はあります?

 

ガキの頃からヒーローやヒロイズムは、魅力的なものに見えていたな。自分が持っているもの、欠けているものを含め、ヒーローだからこそ抱く内なる葛藤に興味を持っていて、ある程度、理解しているような感覚はあったよ。盲目的に命を賭けるヒーロー、あるいは障害があって自分自身を変えなくてはいけないヒーロー、その存在形式もさまざまだよな。

 

Q:今回の戦うSP職の主人公、マイク・バニングについては、どういう分析をしていますか?

 

そうだな。観る分にも演じる分にも、パワフルなキャラクターだと思う。インパクトも大きい。今回のバニングは観ていてエキサイティングな気分になって、観る人がインスピレーションを得る男だと思う。そういうことが可能な映画や映画のキャラクターが僕は気に入っていて、映画を観ていてヒーローが登場すれば、応援したくなるじゃないか。彼の影響を受けて人生を本気で変えようと思うとすれば、それはとても素敵なことじゃないか!

 

■組織のルールを破って自分の正義や主義を押し通して戦っていく、その姿勢は大事!!

Q:主人公は仕事のミスを仕事で返そうとしますね。そういう設定にした理由は何ですか?

 

まず贖罪というテーマは、ドラマ的に非常にポイントになってくるわけだ。まさしく今回のマイク・バニングは、君の言うとおりの状況下にいるわけだが、そもそも彼の仕事そのものは、普通のサラリーマンとは違うわけだな。SPは自分の命を犠牲にしてまで働くという職種なわけで、カンタンに比較することは無理かもしれないが、テロリストと戦うというチャンスを得た彼が証明可能になったことは、ベスト・オブ・ベストを尽くすこと! 自分以外の人間では、ダメだということを証明する機会を得た。それが重要ポイントだった。

 

Q:なるほどー。ところで事前のリサーチで、マイク・バニングのような野郎はいましたか?

 

いたいた(笑)。ジョー・バナンという、ちょっと名前が似ている男で、マイク・バニングのように軍人の中の軍人という感じだったな。だがしかし、その仕事のせいで妻との関係がロマンチックでエモーショナルな関係に保てていないタイプの男だったな。さまざまな種類のエキスパートに会ったけれど、その中でもジョーは論理性とタフ度、ハート、情熱、漢気、ユーモアもある、すごくいい人間だと思ったね。そして、映画はハイテンションでバイオレントな世界だから、マイク・バニングにもユーモアがすごく大切なことだったよ。

 

Q:確かに、バニングが置かれている状況や、彼が抱く過去の傷は、最強にシリアスですね。

 

そう。そして最重要なことは、敵との関係でマイク・バニングの周囲で善なる友人たちが無数に死しているということだ。だから、組織のルールを破ってだな、自分の正義や主義を押し通して戦っていく、そのマイク・バニングの姿勢を出すことも大切だったわけだよ。

 

■来日案件好例!! 御本人に聞く特集リクエスト!! 神男、バトラーの要望は何!?

Q:さて、最近は俳優業と製作業を兼ねていますが、どうしてそういうスタイルなのですか?

 

そういうカタチで作品に関わることは、映画で成功を収めるためではない。これはね、ゼニカネの問題じゃないわけだ。力の限り、この企画、この映画を最高のモノにするためだ。その1つの方法として、製作業を兼務しているだけだ。ただ、うまくいっている時はいいが、うまくいかない時は頭がおかしくなりそうだ。今回はアントワーン・フークア監督と二人三脚でいろいろなことに挑戦しようとしたので、まさしく共闘している感じだったな。

 

Q:いい仕事をするために、計算ナシで作業量を増やすことは、なかなか難しいテーマです。

 

ある時点で……だな、金銭的な壁があって、腹をくくったこともあったよ(笑)。まあ、これだけすべてを注ぎ込み、最後にここまで満足がいく映画に仕上がると、本当に映画に関わったという感覚になるから、達成感も大きい。心理的にも、肉体的にも、金銭的にもね!

 

Q:最後に弊社恒例の質問ですが、本作の特集ページを作るのでリクエストを聞いています。

 

現在、世界で生きる我々の脳裏には、テロリズムの脅威があって、自分たちはいかにもろい存在か皆、意識していることだと思う。最近ではボストンンの事件が起こったが、映画の完成と重なって奇妙な感覚になった。テロリズムの恐怖と危機が襲う日常と組み合わせて紹介することも一種のアングルだと思う。そして、それだけじゃなく、いかにして普通の人間がヒーローになるかという点にフォーカスすることも面白い。いろいろな人が他人のために行動を起こすことは、すごく勇気が必要なことだ。個々の、市井のヒーローが生まれていくということ。僕であれば、そういうことにもアングルを見出すかもしれないね。

 

■取材・構成・撮影/鴇田 崇(OFFICE NIAGARA)

 

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