インタビュー


単行本が累計15万部以上の売上を記録した稀代の美少女絵師ユキオの同名萌えコミックを、豪華で異色のキャスト勢で完全実写映画化した『武蔵野線の姉妹』。才色兼備で巨万の富を持ちながらもニートでオタクな姉とBL漫画に夢中な妹を中心に、むやみに残念な人々が繰り広げる刺激ワールドへ、国民的アイドルAKB48の仲谷明香と中田ちさとが参入! 女優として改めてオタ文化に触れた感想や将来の夢まで、“リア充”爆発のインタビューです!

■ パッと見は萌え系ビジュアルですが、そうじゃないオチが待っています(笑)


Q:相当ブっ飛んだ内容ですよね! 全登場人物のキャラクターが濃すぎて絶句しました!

仲谷: そうですね(笑)。事前に脚本を熟読して撮影に入りましたが、加藤夏希さん演じる蘭子お姉さんがどう出てくるかが分からなかったので、ドキドキして現場に入りました。そこで加藤さんの出方を実際に見て、わたしが演じる妹のパンドラの方向性を決めていった感じですね。普段はおとなしいパンドラですが、激しく感情を出すシーンもあったので、初日から撮影をカッ飛ばしていた想い出がありますね。そういう意味では、大変でした(笑)。

中田: 演技は初めてだったので、演技力では補えないと思い、原作に近づける努力から始めました。エクステを付けて、髪の色を変えて、前髪も作って、形から入りましたね。原作者のユキオさんに「由良ちゃんにピッタリ!」と言っていただいて、うれしかったです!


Q:本作のキャッチコピーの“社会派萌えコメディー”って、どういうことだと思いますか?

仲谷: 主人公の蘭子お姉さんで考えた時に、働くことがあり得ない人で、すごくブッ飛んではいますが、株などに詳しくて考え方そのものはしっかりとしている人じゃないですか。最初は秋葉原のメイドカフェで働く妹に対して反発しているけれど、最終的には妹想いの優しいお姉さんとしての一面も出てくるので、心が温まるストーリーだなって思いました。

中田: わたしもラストに向けて感情が変化する女の子のキャラクターだったので、姉妹愛、仲間愛に満ちた感動ストーリーになっていると思いました。人の温かみが分かる物語です。

仲谷: パッと見は萌え系ビジュアルですが、そうじゃないっていうオチが待っています(笑)。

■ 本当のちーちゃんはお尻を出すような子じゃない!! それだけが心配でした――


Q:そのメイドカフェ「姫武者」がある秋葉原は、AKB48にとってはなじみのある街ですよね。

仲谷: はい。わたしたちは今チームKで、スケジュールによっては行かない日がありますが、最近は比較的公演が増えて秋葉原にはよくいます。でも、街を散策する時間はなくて。

中田: そうそう、確かに秋葉原の劇場で公演をしてはいますが、外の秋葉原を知る機会は意外に少なくて。実はわたし、ゆっくりと散策したことが一度もないような気がします(笑)。近いようで知らないことが多かったので、意外と新しい世界を観たような気持ちになって。

仲谷: わたしは、もともとオタク文化やアニメのファンで、AKB48に入る前はコスプレもしていたので、秋葉原で開催しているコスプレ会場にも行ったことがあります。メイド喫茶もコスプレイヤーの友だちと一緒に行ったことがあるので、比較的入りやすい世界でした。


Q:パンドラと由良というキャラクターですが、どういう性格の女子として演じましたか?

中田: 自称コスプレイヤーのネットアイドルなので、変わっている子だなと思いました(笑)。

仲谷: 完成した作品を観ている感じでは、けっこう人気があるアイドルの設定だったよね?

中田: でもコメントが60くらいで、100もいかない? みたいな(笑)。だから本当に秋葉原だけで活動する、地道に生息している女の子です。でも、そのファンに向けての地道なアピールの姿は勉強になるというか、ファンの皆さんにブログなどを使ってアピールしていくことも大切だなって。その意味ではファンを獲得するために頑張っている由良ちゃんの姿に、ちょっと頭が下がります。最初、パンチラにはびっくりしましたが(笑)、彼女なりに頑張って、アイドルしている。蘭子の悪口をネットに書くとか、裏がある子ですが(笑)。

仲谷: ちょっと心配だったことは、ちーちゃん(中田)が本当にそういう子だと思われることでしたね(笑)。お尻を出して、人気を獲るためにナンだってする子じゃないですか。でも、本当のちーちゃんはそういう子じゃない(笑)。由良ちゃんは物事に一生懸命だから、そういう意味で一緒に観えてしまっては困るなって(笑)。そういう話を何度かしましたね。

中田: ただ、ファンの方はわたしを知っているので、新しい中田ちさとを知ると思います。

仲谷: パンドラちゃんの場合は、わたしもアニメーションが大好きで、言うほど抵抗感がなかったので、パンドラちゃん、いいなって思いましたね。ただ、彼女のように感情的に怒るってことはないかなあ。優しいわけじゃなくて、怒ること自体が面倒臭いというか(笑)。

中田: ご飯を勝手に取る時だけですよ、怒るの(笑)。食べることが大好きみたいだから(笑)。

仲谷: わたしはご飯への執着が強いので、キュウリ1本でも勝手に取られれば怒ります(笑)。

■ アイドル以外に夢いっぱい!! 「モーニングバード!」で羽鳥&赤江アナにカラミたい!!


Q:ところで、本作で本格的な女優デビューが実現しましたが、今後の夢や目標は何ですか?

仲谷: 夢は声優です。きっかけは、5歳の時に初めて観た「ポケットモンスター」です。先日15周年を迎えましたが、今度21歳になるので、ピカチュウと一緒に成長しました。小さい頃にピカチュウを観てモノマネをして、人に似ていると言われて、ピカチュウになろうと思ったことが声優へ憧れた第一歩でした。それと、「カードキャプターさくら」ですね。ファンタジー系のアニメーションが大好きで、この2作品は本当に大切に想っていますね。

Q:そういう夢はこういう場所で言い続けておくと、実際に叶うってよく言いますよね(笑)。

仲谷: そうです! だからAKB48に入って、5年間くらいずっと言い続けていて、AKB48がアニメ化みたいな企画の時にオーディションがあるということで、受けて受かりました!だから、言い続けていると大人の人が「声優になりたいって言っている奴がいたな?」って、思い出すことがあるかもしれないじゃないですか(笑)。“やすす”もきっとそう思う。

Q:その“やすす”って誰ですか?

仲谷: 秋元康先生のことです(笑)。今Google+(グーグルプラス)AKB48皆でやっていて。

中田: ご本人に“やすす”と言えないな。「やすす、おはようございます!」は言えない(笑)。

仲谷: 言いそうにはなるけどね(笑)。とても優しい方なので、言っても怒られないと思う。

中田: 今一番の夢はレポートをしてみたくて、「王様のブランチ」のブランチガールです。最新のトレンドや情報などを、街に出てレポートしたい! お昼の番組に出ることで、お母さん世代、違った層の方々に自分を知っていただくことになれば。朝番組では「モーニングバード!」に出たいです。羽鳥(慎一)さんと赤江(珠緒)アナにカラミたいです(笑)。

仲谷: ちーちゃん、そういう系ばっかりです。ちょこっとひな壇にいるようなお仕事とか。

中田: 後は「ロンドンハーツ」の仕掛け人になってみたいです(笑)。それとファッション番組や通販番組にも出てみたい。後は「オールスター感謝祭」でマラソン走りたいです(笑)。

仲谷: 本当に?(笑)


Q:アイドルとしての課題はいかがですか? 後輩たちがめちゃくちゃ増えていますよね?

中田: 10代の、若いって感じではないので、20歳を過ぎて、いかにキャラクターを作るかが課題ですね。自分をどう見せていくかを考えています。いつまでもフレッシュではいられなくて、フレッシュな子は下にいくらでもいるじゃないですか。若いだけじゃ負けます。

仲谷: 声優になりたい思いが強いことと、もともとアイドルは得意じゃなくて、どうもきゅるきゅるすることが苦手(笑)。でも、アイドルのうちは一生ついて回って、自分に向いていないことも分かっています。だから、6年間くらいモヤモヤしていますが、きゅるきゅるは若い子に任せて、わたしは支えに回りたいなって思っています。AKB48の中で、縁の下の力持ち的な存在。目立たないけれど、いないと違和感を抱くような存在でいたいですね。。

中田: わたしは22歳になるので、すぐにセクシーな路線とかは難しいですが、オトナの女性としてイメージを作り上げてみたいですね。セクシーな色気は、10代の子には出せないと思うので。だから、楽屋にいる時にSDN48のPVを観てめっちゃ勉強をしていました(笑)。

仲谷: 声優としても多彩なほうがいいと思うので、ダンスや歌はずっと頑張りたいですね。

中田: AKB48でも笑顔で歌っているだけじゃなくて、シックな歌に変わった時にはオトナの女性の表情で勝負したいです。それを磨けば、やがては演技にもつながっていくのかなと。


Q:さて、最後になりますが、映画を待っているファンの方々にメッセージをお願いします!

中田: 公開まで本当に長い道のりでしたが、ようやく届けることができるので、本当にうれしく思います。はい、お待たせしました!って、カンジです(笑)。どうぞご覧あれ!(笑)

仲谷: ふたりとも映画は初めての出演なので、初々しい様子を観てほしですが、本当に必死でした!(笑)。その必死に頑張っている姿を、お父さん目線で観てほしいとお思います。それと原作のファンの方には、実写版を満足していただけるように精一努力しました。ファンの方々だけでなく、たくさんの方々に観ていただきたいです。よろしくお願いします!


■取材・構成・撮影/鴇田 崇(OFFICE NIAGARA)

作品情報

『武蔵野線の姉妹』
2012年11月17日(土)より、シネ・リーブル池袋、テアトル梅田ほか全国順次公開!
配給:アイエス・フィールド

詳細&上映スケジュールはこちら

© 2012 Yukiwo・フレックスコミックス/「武蔵野線の姉妹」製作委員会